プリウスで部品の破損・脱落
この症例は「特殊事例」です。修理で直す故障というより、製造上の不具合として国土交通省などへの申告が多い事象を整理しています。
まず疑うのはバックドアダンパー(バックドアを支える棒)とハブボルト(ホイールを留めるボルト)で、申告の数は並んでいます。次いでアクスルシャフト、インバーター(ハイブリッドの制御装置)、ホイールが同数で続きます。この症状は整備で直す故障というより、国の不具合情報窓口に寄せられた申告としてまとまりやすい事象です。ここでは「どんな申告が多いか」を整理し、ご自身の車で同じことが起きていないかを見分ける手がかりと、起きたときの相談先をお伝えします。
疑う順
修理費の目安は、費用の記載がある事例が3件以上集まった部品にだけ載せています。
- 見分け方(自分で確認できること)
- バックドアを開けたまま支えている棒です。開けても途中で下がってくる、以前より力を入れないと開かない、開けた状態で頭がぶつかりそうになる、といった変化が手がかりです。取り付けの付け根に油のにじみや、棒の表面にサビが出ていないか、開けたときに目で見て確かめてください。左右で動きが違う場合も要注意です。
- 放置するとどうなる
- 支える力が落ちたまま使うと、開けたバックドアが不意に下がってくることがあります。付け根の金具や周りの内張りを傷めることもあります。
- 出やすい年式・距離
- 2010〜2013年式。初度登録から年数が経った個体に申告が集まっています。
- 見分け方(自分で確認できること)
- ホイールをハブ(車軸側)に留めているボルトです。走り出しや低速で「カチカチ」「コトコト」という規則的な音が出る、段差でガタつく感じがするときは気にしてください。停車中にホイールのナットを目で見て、一本だけ緩んでいる・出っ張りが違う・ナット周りにサビ色の筋が伸びていないか確認します。タイヤ交換の直後に違和感が出た場合も手がかりになります。
- 放置するとどうなる
- 残ったボルトに力が集中して、ホイールの取り付けが不安定になります。ハブ側の穴やホイールを傷めることもあります。
- 出やすい年式・距離
- 2010〜2011年式、走行 31,571〜57,171km(中央値 45,855km)。初度登録から年数が経った個体、走行距離が伸びた個体に申告が見られます。
- 見分け方(自分で確認できること)
- エンジンの力をタイヤへ伝える軸です。ハンドルを大きく切って曲がるときに「カラカラ」「コキコキ」と繰り返す音が出る、発進時にゴトンとショックが伝わる、といった感じ方が多いです。停車中にタイヤの内側をのぞき、軸を覆っているゴムのカバー(ブーツ)が破れてグリスが飛び散っていないか見てください。
- 放置するとどうなる
- 内部の潤滑が失われると音や振動が大きくなり、そのまま走ると駆動が伝わらなくなることがあります。周りの部品にグリスが付着して汚れます。
- 見分け方(自分で確認できること)
- モーターへ流す電気を制御する装置です。走行中に急に力が抜けて速度が上がらなくなる、ハイブリッドシステムの警告と複数の警告灯が同時に点く、という出方が典型です。加速中や登り坂で出やすく、いったん停めて再始動すると消えることもあります。警告灯の絵柄(ハイブリッド系か、エンジンの形か)を覚えておくと相談のときに役立ちます。
- 放置するとどうなる
- 走行中に動かなくなることがあり、交通量の多い道路では危険です。症状は繰り返し出る傾向があります。
- 見分け方(自分で確認できること)
- タイヤをはめている金属の輪です。まっすぐな道で一定の速度から振動が出る、ハンドルに小刻みな震えが伝わる、空気圧を入れてもすぐ抜ける、といった変化が手がかりです。停車中にホイールの表面とリム(タイヤの縁が当たる部分)を一周見て、細いひび、欠け、内側へのへこみがないか確認してください。縁石に強く当てた後から症状が出た場合も伝えてください。
- 放置するとどうなる
- ひびが広がると空気が抜けやすくなり、走行中にタイヤの空気圧が下がることがあります。振動が足回りのほかの部品にも負担をかけます。
ここに挙げたのは、申告として多い事象を整理したものです。同じ音や違和感でも、原因になっている箇所は車ごとに違います。確定は点検で。
よくある質問
- このまま走っても大丈夫ですか。
- 症状によります。走行中に力が抜ける、警告灯が一斉に点く、ホイールまわりから規則的な音やガタつきがある場合は、無理に走らず安全な場所に停めてご相談ください。バックドアが下がってくる程度であれば、開けたときに手を添えるなど気をつけたうえで、早めに点検の予約を取ってください。
- どこに相談すればいいですか。
- まずは購入した販売店か、お近くの整備工場で現物を見てもらうのが早道です。同じ部品で同じ壊れ方が続いている場合は、メーカーのお客様相談窓口にも症状を伝えておくと記録が残ります。あわせて、国土交通省の自動車不具合情報ホットラインに情報を寄せることもできます。申告が集まることで、保証やリコールの判断材料になります。
- 車検は通りますか。
- 部品が外れている、割れている、取り付けが緩んでいる状態は、保安基準に関わる箇所だと指摘の対象になります。バックドアの支え、ホイールの取り付け、足回りの部品はとくに見られる箇所です。車検前に気づいた時点で直しておくほうが、結果的に手間が少なく済みます。
- 修理にはどのくらいかかりますか。
- 部品が手元にあるかどうかで大きく変わります。支え棒やボルト類のような在庫の多い部品なら、その日のうちに終わることが珍しくありません。制御装置や駆動系の部品は取り寄せと作業に日数がかかることがあるため、代車の要否を含めて事前に確認しておくと安心です。
事例(こうだったから、こうして直った)
集めた事例を1件ずつ。年式・距離・症状の組み合わせと、原因・交換した部品、費用、出典です。文章は引用せず、事実だけを載せています。
他にこんな症状はありますか? 当てはまるものを押すと、事例が絞られて、その組み合わせで多かった部品が出ます。
| 型式・年式 | 走行 | 他の症状 | 原因・交換した部品 | 費用 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| ZVW30 | 300,000km | — | アクスルシャフト | — | 国交省 |
| ZVW30 2011年式 | 100,000km | — | ロアアーム・ブッシュ | — | 国交省 |
| ZVW30 2009年式 | 300,000km | — | アクスルシャフト | — | 国交省 |
| ZVW30 2011年式 | 109,000km | 走行不能・走れない | リーフスプリング | — | 国交省 |
| ZVW30 2011年式 | 270,000km | — | ブレーキキャリパー | — | 国交省 |
| ZVW51 2016年式 | 57,000km | — | ボディパネル・車体 | — | 国交省 |
| ZVW30 2012年式 | 30,000km | — | インバーター(ハイブリッド) | — | 国交省 |
| ZVW30 2010年式 | 166,000km | — | スパイラルケーブル | — | 国交省 |
| ZVW30 2009年式 | 70,973km | — | バックドアダンパー | — | 国交省 |
| ZVW50 2016年式 | 50,000km | — | インバーター(ハイブリッド) | — | 国交省 |
| ZVW30 2013年式 | — | — | バックドアダンパー | — | 国交省 |
| ZVW30 2010年式 | 70,000km | パワーウインドウが動かない | ウインドウレギュレーター | — | 国交省 |
| ZVW30 2012年式 | 50,000km | — | バックドアダンパー | — | 国交省 |
| ZVW30 2011年式 | 45,855km | — | ハブボルト | — | 国交省 |
| ZVW30 2010年式 | 32,029km | — | ホイール | — | 国交省 |
| ZVW30 2009年式 | 47,000km | — | エアクリーナー | — | 国交省 |
| ZVW30 2010年式 | 60,000km | — | ハブボルト | — | 国交省 |
| NHW20 2010年式 | 28,000km | — | ハブボルト | — | 国交省 |
| ZVW30 2010年式 | 45,000km | 走行不能・走れない | ステアリングインターミディエイトシャフト | — | 国交省 |
| ZVW30 2009年式 | 35,000km | — | エンジンアンダーカバー | — | 国交省 |
| ZVW30 2010年式 | 8,200km | — | ホイール | — | 国交省 |
費用は事例に書かれていた金額です。車両の状態・地域・工場で変わります。「—」は記載なし。
自分で直す人向け: 部品を探す
1位の部品名で検索します。適合は型式・類別で必ず確認してください。
出典
- 国土交通省 自動車不具合情報ホットライン(21件)
「自動車不具合情報ホットライン」(国土交通省)(https://renrakuda.mlit.go.jp/renrakuda/opn.html)を加工して作成
本文は各サイトから引用していません。事例の事実(車種・症状・原因・費用)だけを集計しています。
監修:株式会社たま(関東運輸局長認証工場) 監修日:2026-09-12 更新日:2026-09-12
本ページは全国の整備事例の集計と当社の経験に基づく「疑う順」です。原因の確定は必ず点検で行ってください。修理費は事例の中央値と幅で、車両の状態・地域・工場により異なります。
