ランドクルーザープラドの故障・持病
ランドクルーザープラドは、集めた事例37件が1KD 3.0Lディーゼル、1GD 2.8Lディーゼル、1KZ 3.0Lディーゼル、5VZ 3.4Lガソリンの4つに分かれています。件数が多いのは1GD(11件)と1KD(9件)で、いずれもディーゼルの噴射系や排気系が中心。一方で1KZと5VZは年式が古く、足回り・冷却・ブレーキなど「車体側」の事例に寄っています。ここでは整備工場の目線で、エンジンごとにまず何から疑うかを並べます。
型式・エンジンを選ぶと、その車の持病・症例・多い故障に切り替わります。
イラストはイメージです症状から見る
この車種の監修済み症例はまだありません。
エンジンを問わず出るもの
全体37件で一番多い部品はインジェクターで5件。走行距離は9万km前後、年式は2004〜2021年式と幅広く、世代をまたいで出ています。症状は加速しない・パワーが出ない、DPF警告灯・再生が終わらないの二本立てです。
次がブレーキキャリパーの4件で、走行距離は6万km前後、年式は2005〜2007年式。引きずってタイヤがロックする、ペダルが深いといった訴えで、ブレーキブースターの2件と合わせるとブレーキまわりの事例は少なくありません。足回りではボールジョイントが3件、こちらは21万km前後、1996〜2001年式に寄っています。
そのほか全体ではサプライポンプ3件、DPF2件、ヘッドガスケット2件、ラジエーター2件、スターターモーター(エンジンを始動させるモーター)2件。症状の順では部品の破損・脱落が9件、走行不能・走れないが7件と上位で、足回りや下回りの消耗が走行に直結している形が多いです。
中古で買うとき・長く乗るときに見るところ
ディーゼルを見るなら、まず警告灯の履歴です。1GDでは4万km前後でサプライポンプ、1KDでは10万km前後でインジェクターの事例が出ているので、チェックランプが点いた記録やDPF再生が終わらなかった話がないかを聞いておくと、後の見当がつけやすくなります。DPF警告灯が点いたまま、という状態での試乗は避けたいところ。
年式が古い個体、特に1KZや5VZの世代では、足回りと冷却とブレーキの三つを見ます。ボールジョイントやロアアーム・ブッシュのガタ、ラジエーターやウォーターポンプまわりの冷却水の滲み、ペダルの深さと引きずり。事例では部品の破損・脱落と走行不能が上位なので、下回りは持ち上げて確認できると安心です。
長く乗る側では、加速が鈍い・アイドリングが荒い・水温が上がるといった変化を、我慢せず早めに見せることです。ここに書いたのはあくまで集めた事例の傾向で、同じ症状でも原因は車ごとに違います。確定は点検で。
この車で多い故障(部品別)
集めた整備事例45件のうち、どの部品が原因・交換になったかの割合です。走っている台数あたりの故障率ではありません。
- インジェクター5件 11%主な症状: 加速しない・パワーが出ない走行90,000km前後で多い
- ブレーキキャリパー4件 9%主な症状: ブレーキの引きずり・タイヤがロック走行60,000km前後で多い
- ボールジョイント3件 7%主な症状: 部品の破損・脱落走行210,000km前後で多い
- サプライポンプ(高圧燃料ポンプ)3件 7%主な症状: エンジン警告灯(チェックランプ)点灯走行40,000km前後で多い
- ブレーキブースター2件 4%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- DPF(排気微粒子フィルター)2件 4%主な症状: DPF警告灯・再生が終わらない
- ヘッドガスケット2件 4%主な症状: 冷却水漏れ・減る
- ラジエーター2件 4%主な症状: 冷却水漏れ・減る
- スターターモーター2件 4%主な症状: 発煙(煙が出る)
- エアクリーナー1件 2%主な症状: 加速しない・パワーが出ない
1GD 2.8L ディーゼル(GDJ150W・GDJ151W)
- 型式
GDJ150GDJ151GDJ150GDJ151GDJ150GDJ151- 年式
- 2014〜2023年
- エンジン
- 1GD 2.8L ディーゼル
現行寄りのディーゼル。噴射系と排気系の電子まわりが事例の中心
この世代でまず疑うのはサプライポンプ(高圧燃料ポンプ)です。11件中3件と最多で、症状はエンジン警告灯(チェックランプ)の点灯、そこにABS・横滑り警告灯が一緒に点くケースも出ています。事例の走行距離は4万km前後、年式は2014〜2015年式に寄っていて、距離が浅いうちに出ているのが特徴です。
次に多いのがDPF(排気微粒子フィルター)とインジェクター(燃料を霧状に噴く部品)で、それぞれ2件ずつ。DPF警告灯が点く・再生が終わらないという訴えはこの二つのどちらからも出るため、再生の履歴と噴射側の状態を合わせて見ます。走行不能まで進んでいる事例もあるので、警告灯が消えないまま乗り続けない方が無難です。
そのほかはAT(オートマチック)、燃料タンク・サクションチューブ(燃料を吸い上げる配管)、パワーステアリング(ポンプ・モーター)、ターボチャージャーが各1件ずつ。ギアが入らない、燃料の匂いがする、ハンドルが重い、加速しない——症状がはっきり分かれるので、訴えの出方でどこを見るかが決まりやすい世代です。
症状から見る
- エンジン警告灯(チェックランプ)点灯5件・監修待ち
- DPF警告灯・再生が終わらない4件・監修待ち
- 走行不能・走れない2件・監修待ち
- 警告灯が複数・全部つく2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- サプライポンプ(高圧燃料ポンプ)3件 27%主な症状: エンジン警告灯(チェックランプ)点灯走行40,000km前後で多い
- DPF(排気微粒子フィルター)2件 18%主な症状: DPF警告灯・再生が終わらない
- インジェクター2件 18%主な症状: DPF警告灯・再生が終わらない
- AT(オートマチック)1件 9%主な症状: 走行不能・走れない
- 燃料タンク・サクションチューブ1件 9%主な症状: 燃料漏れ・燃料の匂い
- パワーステアリング(ポンプ・モーター)1件 9%主な症状: ハンドルが重い
- ターボチャージャー1件 9%主な症状: 加速しない・パワーが出ない
1KD 3.0L ディーゼル(KDJ120・KDJ121・KDJ95)
- 型式
KDJ120KDJ121KDJ95KDJ120KDJ121KDJ95KDJ120KDJ121KDJ95- 年式
- 2002〜2007年
- エンジン
- 1KD 3.0L ディーゼル
噴射系が主役。距離が伸びるとエンジン内部の話も混じってくる
まず疑うのはインジェクターです。9件中3件で最多、症状は加速しない・パワーが出ない、アイドリング不調・振動。事例の走行距離は10万km前後、年式は2004〜2006年式に寄っています。この世代で「力が出ない」「振動する」と言われたら、最初に噴射系を疑う流れになります。
次に多いのは件数としては横並びで、エアクリーナー、ベルトテンショナー(ベルトの張りを保つ部品)、ブレーキブースター(ブレーキ踏力を助ける装置)、ブレーキキャリパー(ブレーキパッドを押す部品)が各1件。加速不良はエアクリーナーの詰まりでも出るので、噴射系に入る前に吸気側を確認しておくと遠回りになりません。ブレーキ側は引きずりやペダルが深いという別系統の訴えです。
距離が伸びた車では、コンロッド(エンジン内部の部品)の破損やピストンリング(オイル上がり)といったエンジン内部の事例も出ています。エンスト・走行中に止まる、アイドリングが安定しない、といった症状が重なる場合は、噴射系だけで片付けずに内部の状態も見ます。
症状から見る
- 加速しない・パワーが出ない4件・監修待ち
- アイドリング不調・振動3件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる3件・監修待ち
- 走行不能・走れない2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- インジェクター3件 33%主な症状: 加速しない・パワーが出ない走行100,000km前後で多い
- エアクリーナー1件 11%主な症状: 加速しない・パワーが出ない
- ベルトテンショナー1件 11%主な症状: 走行不能・走れない
- ブレーキブースター1件 11%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- ブレーキキャリパー1件 11%主な症状: ブレーキの引きずり・タイヤがロック
- コンロッド(エンジン内部破損)1件 11%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- ピストンリング(オイル上がり)1件 11%主な症状: アイドリング不調・振動
1KZ 3.0L ディーゼル(KZJ95・KZJ78・KZJ90)
- 型式
KZJ95KZJ78KZJ90KZJ95KZJ78KZJ90KZJ95KZJ78KZJ90- 年式
- 1994〜2000年
- エンジン
- 1KZ 3.0L ディーゼル
年式が古い世代。エンジンより足回り・冷却・錆の事例が目立つ
この世代は8件がほぼ1件ずつに散っていて、特定の持病というより経年での消耗が並びます。症状で見ると部品の破損・脱落が4件と最も多く、内訳はボールジョイント(足回りの可動する継ぎ手)やロアアーム・ブッシュ(サスペンション支持部のゴム)といった足回りです。走行不能まで至っている事例もあるため、下回りの遊びと亀裂は早めに見ておきたいところ。
次に出ているのが冷却系で、ラジエーターによる水温警告灯・オーバーヒート、ヘッドガスケット(シリンダーヘッドの合わせ面を密封する部品)からの冷却水漏れが各1件。デファレンシャル(デフ/左右の車輪に駆動を分ける装置)の事例では、加速しない・床下からの異音という形で出ています。
そのほかグロープラグ(冷間始動を助ける予熱装置)の破損、リアヒーター・リアクーラーまわりの錆・腐食が各1件。年式相応に車体側の腐食が絡むので、エンジン単体より車全体の状態で見る世代です。
症状から見る
- 部品の破損・脱落5件・監修待ち
- 走行不能・走れない3件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ボールジョイント2件 22%主な症状: 走行不能・走れない
- デファレンシャル(デフ)1件 11%主な症状: 加速しない・パワーが出ない
- グロープラグ1件 11%主な症状: 部品の破損・脱落
- ヘッドガスケット1件 11%主な症状: 冷却水漏れ・減る
- ロアアーム・ブッシュ1件 11%主な症状: 走行不能・走れない
- ラジエーター1件 11%主な症状: 水温警告灯・オーバーヒート
- リアヒーター・リアクーラー1件 11%主な症状: 錆・腐食
- シートベルト1件 11%主な症状: 部品の破損・脱落
5VZ 3.4L ガソリン(VZJ121・VZJ120・VZJ95)
- 型式
VZJ121VZJ120VZJ95VZJ121VZJ120VZJ95VZJ121VZJ120VZJ95- 年式
- 1999〜2005年
- エンジン
- 5VZ 3.4L ガソリン
事例はまだ少ない。出ているのはブレーキと冷却水漏れ
5VZの事例は5件で、ディーゼル勢に比べると数が少なく、傾向を強く言える段階ではありません。その中で目立つのはブレーキの効きが悪い・ペダルが深いという訴えが2件、原因はブレーキブースター(ブレーキ踏力を助ける装置)とブレーキマスターシリンダー(踏力を油圧に変える部品)に分かれています。ペダルの感触が変わったら、この二つのどちらかを見る流れです。
同じく2件あるのが冷却水漏れ・減るで、ヘッドガスケットとウォーターポンプ(冷却水を循環させるポンプ)が1件ずつ。漏れの場所で対応がまるで変わるので、駐車跡や水位の減り方を確認してから判断します。
残る1件はブラケット・ステー(部品を固定する金具)で、曲がるときのカリカリ・カタカタ音として出ています。事例はまだ少ないので、ここに挙がっていない箇所が出ることも前提に見ています。
症状から見る
- ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い2件・監修待ち
- 冷却水漏れ・減る2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ブラケット・ステー1件 20%主な症状: 曲がるときカリカリ・カタカタ音
- ブレーキブースター1件 20%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- ブレーキマスターシリンダー1件 20%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- ヘッドガスケット1件 20%主な症状: 冷却水漏れ・減る
- ウォーターポンプ1件 20%主な症状: 冷却水漏れ・減る
3RZ 2.7L ガソリン
- 型式
RZJ120RZJ95RZN185- 年式
- 2004〜2004
症状から見る
- 発煙(煙が出る)2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- スターターモーター2件 67%主な症状: 発煙(煙が出る)
- アクスルシャフト1件 33%主な症状: 部品の破損・脱落
1GR-FE-120
症状から見る
- ブレーキの引きずり・タイヤがロック2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ブレーキキャリパー2件 100%主な症状: ブレーキの引きずり・タイヤがロック
2TR-FE-120
症状から見る
このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- ブレーキキャリパー1件 50%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- ラジエーター1件 50%主な症状: 冷却水漏れ・減る
2TR-FE-150
症状から見る
このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- ECU(コンピューター)1件 50%主な症状: ナビ・メーターが再起動する・消える
- ホイール1件 50%主な症状: 部品の破損・脱落
3RZ-FE-90
症状から見る
このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- ボールジョイント1件 100%主な症状: 部品の破損・脱落
監修:株式会社たま(関東運輸局長認証工場) 監修日:2026-09-12
