ランドクルーザープラドの故障・持病
プラドは90系(1996〜2002年)、120系(2002〜2009年)、150系(2009〜2023年)で、エンジンも持病も変わります。ディーゼルは 1KZ-TE(90系)、1KD-FTV(120系)、1GD-FTV(150系後期)と続き、噴射系と排気処理の持病がそれぞれにあります。90系のボールジョイントと3RZのスターターはリコールの対象です。ここでは整備工場の目線で、世代ごとに「何から疑うか」を整理します。
型式・エンジンを選ぶと、その車の持病・症例・多い故障に切り替わります。
イラストはイメージです症状から見る
この車種の監修済み症例はまだありません。
エンジンを問わず出るもの
ブレーキキャリパーの引きずりと効きの低下は120系に多く、重い車体で下り坂を多く走る使い方ほど早く出ます。ボールジョイントは90系から120系初期まで見ておく部位です。
中古で買うとき・長く乗るときに見るところ
ディーゼルは世代ごとに噴射系の交換歴(1KZ は噴射ポンプ、1KD はインジェクター、1GD はサプライポンプとインジェクターのリコール)を確認し、始動直後の白煙と異音、DPFの再生履歴(1GD)を見ます。90系はボールジョイントの改修歴。確定は点検で。
この車で多い故障(部品別)
集めた整備事例45件のうち、どの部品が原因・交換になったかの割合です。走っている台数あたりの故障率ではありません。
- インジェクター5件 11%主な症状: 加速しない・パワーが出ない走行90,000km前後で多い
- ブレーキキャリパー4件 9%主な症状: ブレーキの引きずり・タイヤがロック走行60,000km前後で多い
- ボールジョイント3件 7%主な症状: 部品の破損・脱落走行210,000km前後で多い
- サプライポンプ(高圧燃料ポンプ)3件 7%主な症状: エンジン警告灯(チェックランプ)点灯走行40,000km前後で多い
- ブレーキブースター2件 4%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- DPF(排気微粒子フィルター)2件 4%主な症状: DPF警告灯・再生が終わらない
- ヘッドガスケット2件 4%主な症状: 冷却水漏れ・減る
- ラジエーター2件 4%主な症状: 冷却水漏れ・減る
- スターターモーター2件 4%主な症状: 発煙(煙が出る)
- エアクリーナー1件 2%主な症状: 加速しない・パワーが出ない
この距離で車検に落ちる項目(英国のデータ)
英国の車検(MOT)の公開データから、走行距離ごとの不合格率を出したものです。英国で走っている同じ車の実績で、日本からの中古並行輸入も多く含まれます。
150系 後期 1GD-FTV
| 0〜5万km846台 | ブレーキキャリパー 1.5%ブレーキローター(ディスク) 0.8%ドライブシャフトブーツ 0.6% |
|---|---|
| 5〜10万km1,324台 | フロントガラス 2.0%ボールジョイント 1.1%ブレーキキャリパー 0.8% |
| 10〜15万km549台 | フロントガラス 2.9%タイロッドエンド 1.3%parking_brake 1.1% |
| 15〜20万km209台 | スタビライザーリンク 6.7%フロントガラス 2.9%parking_brake 2.4% |
120系・150系 1KD-FTV
| 0〜5万km183台 | ボディパネル・車体 8.7%ブレーキキャリパー 3.3%ドライブシャフトブーツ 2.2% |
|---|---|
| 5〜10万km534台 | ブレーキキャリパー 3.2%フロントガラス 2.6%マフラー 1.3% |
| 10〜15万km1,136台 | スタビライザーリンク 5.4%ドライブシャフトブーツ 3.7%ボールジョイント 3.3% |
| 15〜20万km1,820台 | スタビライザーリンク 11.2%ドライブシャフトブーツ 10.2%ボールジョイント 4.3% |
| 20〜25万km2,126台 | スタビライザーリンク 13.9%ドライブシャフトブーツ 9.3%ボールジョイント 6.3% |
| 25〜30万km1,822台 | スタビライザーリンク 18.9%ドライブシャフトブーツ 10.6%ボールジョイント 9.0% |
| 30以上万km1,640台 | スタビライザーリンク 14.7%ドライブシャフトブーツ 9.1%フロントガラス 7.1% |
融雪塩による錆と、タイヤ・ワイパー・電球などの消耗品は除いています。英国の道路事情によるもので、日本の車検の合否とは基準が違います。出典: DVSA(Open Government Licence v3.0)
150系後期 ディーゼル GDJ150・GDJ151(1GD-FTV、2015〜2023年)
- 型式
GDJ150GDJ151- 年式
- 2015〜2023年
- エンジン
- 2.8L 直4 ディーゼルターボ、6AT、DPF・尿素SCR
サプライポンプ、DPF、インジェクター。ハイエースの1GDと同じ見方
まず挙がるのはサプライポンプ(高圧燃料ポンプ)で、エンジン警告灯とABS警告灯として2014〜2015年式、4万km前後の初期型に固まっています。次がDPF(警告灯、走行不能)とインジェクター(DPF警告灯、エンジン警告灯、2020〜2021年式)で、インジェクターはこの年式でリコールが出ているので改修歴を確認します。ターボチャージャー(加速しない)、燃料タンクのサクションチューブ、AT(走行不能)が続きます。短距離中心の使い方で再生が終わらない車は、DPFの前に使い方を見直します。
症状から見る
- エンジン警告灯(チェックランプ)点灯5件・監修待ち
- DPF警告灯・再生が終わらない4件・監修待ち
- 走行不能・走れない2件・監修待ち
- 警告灯が複数・全部つく2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- サプライポンプ(高圧燃料ポンプ)3件 27%主な症状: エンジン警告灯(チェックランプ)点灯走行40,000km前後で多い
- DPF(排気微粒子フィルター)2件 18%主な症状: DPF警告灯・再生が終わらない
- インジェクター2件 18%主な症状: DPF警告灯・再生が終わらない
- AT(オートマチック)1件 9%主な症状: 走行不能・走れない
- 燃料タンク・サクションチューブ1件 9%主な症状: 燃料漏れ・燃料の匂い
- パワーステアリング(ポンプ・モーター)1件 9%主な症状: ハンドルが重い
- ターボチャージャー1件 9%主な症状: 加速しない・パワーが出ない
120系 ディーゼル KDJ120・KDJ121・KDJ125(1KD-FTV、2002〜2007年)
- 型式
KDJ120KDJ121KDJ125KDJ95- 年式
- 2002〜2007年
- エンジン
- 3.0L 直4 ディーゼルターボ、4AT/5AT
インジェクターの持病。ピストンとコンロッドの重い故障も
まず疑うのはインジェクターで、加速しない、アイドリング不調、として2004〜2006年式、10万km前後に出ています。1KD-FTV の初期はインジェクターの不良が知られていて、ハイエースの1KDと同じ見方です。ピストンリング(アイドリング不調、エンスト)とコンロッド(エンスト)の事例もあり、インジェクターの不調を放置すると燃焼が乱れてピストンを傷めます。ベルトテンショナー、エアクリーナー、ブレーキブースターとキャリパーが続きます。
症状から見る
- 加速しない・パワーが出ない4件・監修待ち
- アイドリング不調・振動3件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる3件・監修待ち
- 走行不能・走れない2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- インジェクター3件 33%主な症状: 加速しない・パワーが出ない走行100,000km前後で多い
- エアクリーナー1件 11%主な症状: 加速しない・パワーが出ない
- ベルトテンショナー1件 11%主な症状: 走行不能・走れない
- ブレーキブースター1件 11%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- ブレーキキャリパー1件 11%主な症状: ブレーキの引きずり・タイヤがロック
- コンロッド(エンジン内部破損)1件 11%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- ピストンリング(オイル上がり)1件 11%主な症状: アイドリング不調・振動
120系 ガソリン TRJ120・TRJ125(2TR-FE、2004〜2009年)
- 型式
TRJ120TRJ125- 年式
- 2004〜2009年
- エンジン
- 2.7L 直4 ガソリン、4AT/5AT
エンジンは丈夫。ブレーキキャリパーの引きずりとラジエーター
事例は少なく、ブレーキキャリパーの引きずり(効きが悪い、キーキー音、2005〜2007年式)、ラジエーターの冷却水漏れ、ホイール、ECU(ナビ)が挙がっています。2TR-FE そのものの事例はほとんどなく、年数相応の消耗が中心です。
症状から見る
このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- ブレーキキャリパー1件 50%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- ラジエーター1件 50%主な症状: 冷却水漏れ・減る
120系 3.4L V6 VZJ120・VZJ121(5VZ-FE、2002〜2005年)
- 型式
VZJ120VZJ121VZJ125- 年式
- 2002〜2005年
- エンジン
- 3.4L V6 ガソリン、4AT
事例は少ない。ブレーキとヘッドガスケット
事例は少なく、ブレーキブースターとマスターシリンダー(効きが悪い)、ヘッドガスケットとウォーターポンプの冷却水漏れ、ブラケットが各1件です。5VZ-FE はタイミングベルト式なので、交換歴を見ておきます。
症状から見る
- ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い2件・監修待ち
- 冷却水漏れ・減る2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ブラケット・ステー1件 20%主な症状: 曲がるときカリカリ・カタカタ音
- ブレーキブースター1件 20%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- ブレーキマスターシリンダー1件 20%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- ヘッドガスケット1件 20%主な症状: 冷却水漏れ・減る
- ウォーターポンプ1件 20%主な症状: 冷却水漏れ・減る
90系 ディーゼル KZJ90・KZJ95(1KZ-TE、1996〜2000年)
- 型式
KZJ90KZJ95KZJ78- 年式
- 1996〜2000年
- エンジン
- 3.0L 直4 ディーゼルターボ、4AT/5MT
ボールジョイントの脱落、ヘッドガスケット、年数の消耗
まず挙がるのはロアアームのボールジョイントの脱落(走行不能、部品の破損、1996〜2001年式、21万km前後)で、90系はこの部位がリコールの対象です。ヘッドガスケットとラジエーターの冷却水漏れ、グロープラグ、デファレンシャル、リアヒーターの錆が続きます。1KZ-TE はシリンダーヘッドのひび割れによる冷却水の減りが知られていて、水温が上がる・冷却水が減るのに漏れが見えないときはそこを疑います。
症状から見る
- 部品の破損・脱落5件・監修待ち
- 走行不能・走れない3件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ボールジョイント2件 22%主な症状: 走行不能・走れない
- デファレンシャル(デフ)1件 11%主な症状: 加速しない・パワーが出ない
- グロープラグ1件 11%主な症状: 部品の破損・脱落
- ヘッドガスケット1件 11%主な症状: 冷却水漏れ・減る
- ロアアーム・ブッシュ1件 11%主な症状: 走行不能・走れない
- ラジエーター1件 11%主な症状: 水温警告灯・オーバーヒート
- リアヒーター・リアクーラー1件 11%主な症状: 錆・腐食
- シートベルト1件 11%主な症状: 部品の破損・脱落
90系 ガソリン RZJ90・RZJ95(3RZ-FE、1996〜2002年)
- 型式
RZJ90RZJ95- 年式
- 1996〜2002年
- エンジン
- 2.7L 直4 ガソリン
スターターモーターの発煙。リコール対象
事例は少ないものの、スターターモーターの発煙(1997〜1998年式)が2件あり、この部位はリコールの対象です。ボールジョイントとアクスルシャフトの破損が続きます。
症状から見る
このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- ボールジョイント1件 100%主な症状: 部品の破損・脱落
3RZ 2.7L ガソリン
- 型式
RZN185- 年式
- 1998〜1998
症状から見る
- 発煙(煙が出る)2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- スターターモーター2件 67%主な症状: 発煙(煙が出る)
- アクスルシャフト1件 33%主な症状: 部品の破損・脱落
1GR-FE 4.0L V6(120系)
- 型式
GRJ120GRJ121GRJ125- 年式
- 2005〜2009
症状から見る
- ブレーキの引きずり・タイヤがロック2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ブレーキキャリパー2件 100%主な症状: ブレーキの引きずり・タイヤがロック
2TR-FE 2.7L(150系)
- 型式
TRJ150- 年式
- 2009〜2023
症状から見る
このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- ECU(コンピューター)1件 50%主な症状: ナビ・メーターが再起動する・消える
- ホイール1件 50%主な症状: 部品の破損・脱落
監修:株式会社たま(関東運輸局長認証工場) 監修日:2026-09-13
