セレナでエアコンが冷えない
まず疑うのはエアコンコンプレッサー(冷媒を押し出すポンプ)です。セレナで「エアコンが冷えない」という相談では、ここが最も多く挙がっています。次に電動ファン(ラジエーターやコンデンサーを冷やす扇風機)、そのあとにエバポレーター(室内で冷気を作る熱交換器)、ブロワーモーター(風を送るモーター)、オルタネーター(発電機)と続きます。風は出るのに冷たくないのか、そもそも風が弱いのか、走っていると冷えるのに停まると生ぬるくなるのかで、見る方向が変わります。
疑う順
修理費の目安は、費用の記載がある事例が3件以上集まった部品にだけ載せています。
- 見分け方(自分で確認できること)
- エアコンのスイッチを入れたとき、エンジンルームから「カチッ」とつながる音がするか、アイドリングの音や振動が少し変わるかを聞いてみてください。押しても何も変化がない、逆に入れた瞬間にガラガラ・ウィーンといった今までしない音が出る、しばらくは冷えるのに途中から生ぬるい風に戻る、といった出方が手がかりです。吹き出し口に手をかざして、冷たさが波のように行ったり来たりするかも見てください。
- 放置するとどうなる
- 内部の傷みが進むと金属粉が冷媒の通り道に回り、ほかの部品まで交換が必要になることがあります。ベルトで回している部分が固まると、発電やハンドルの重さなど別のところに影響が出ることもあります。
- 出やすい年式・距離
- 2009〜2016年式、走行 31,170〜75,200km(中央値 50,000km)。初度登録から年数が経った個体、走行距離が伸びた個体で目立ちます。
- 見分け方(自分で確認できること)
- 走っているときは冷えるのに、信号待ちや渋滞で止まると生ぬるくなる、という出方が典型です。エアコンを入れた状態でボンネットの前に立ち、ラジエーターの奥のファンが回っている気配(風や回転音)があるか確かめてください。まったく音がしない、カラカラと引っかかるような音がする、水温計が普段より高めに振れる、といった点も一緒に見ます。安全のため、ボンネットを開けるときは手や衣類を近づけないでください。
- 放置するとどうなる
- 冷えないだけでなく、水温が上がってエンジンに負担がかかります。渋滞中にオーバーヒートまで進むと、走れなくなることがあります。
- 出やすい年式・距離
- 2013〜2015年式、走行 32,080〜90,010km(中央値 62,972km)。初度登録から年数が経った個体、走行距離が伸びた個体に多い傾向です。
- 見分け方(自分で確認できること)
- エアコンを入れてしばらくすると風量は変わらないのに冷たさが落ちる、吹き出し口から酸っぱいようなにおいがする、窓が曇りやすくなった、といった変化が手がかりです。足元のカーペットが湿る、駐車後に車の下へ落ちる水の量が以前より少ない、というのも合わせて見てください。
- 放置するとどうなる
- 冷えの弱い状態が続き、においやカビの原因になります。冷媒が抜けていく状態のまま使うと、コンプレッサー側にも負担がかかります。
- 出やすい年式・距離
- 2014〜2018年式、走行 35,243〜73,316km(中央値 48,000km)。初度登録から年数が経った個体、走行距離が伸びた個体で挙がっています。
- 見分け方(自分で確認できること)
- 冷たさ以前に風そのものが弱い、風量つまみを上げても変化が小さい、特定の段だけ風が出ない、という出方をします。助手席の足元あたりからカラカラ・キュルキュルという回転音がする、しばらく走ると急に風が出始める、といった変化も手がかりです。
- 放置するとどうなる
- 風が届かず車内が冷えないままになります。止まったままだと室内の熱がこもり、ガラスの曇りが取れにくくなります。
- 出やすい年式・距離
- 2013〜2014年式、走行 26,695〜83,335km(中央値 64,674km)。初度登録から年数が経った個体、走行距離が伸びた個体で報告があります。
ここに挙げたのは症状から絞り込むための疑う順番の目安です。同じ「冷えない」でも、関わっている箇所は車ごとに違います。止まると冷えなくなるのか、風そのものが弱いのか、においや音はあるかを伝えてください。確定は点検で。
よくある質問
- 冷えないまま走り続けても大丈夫ですか。
- 風は出ていて水温計も普段どおりなら、すぐ止まるとは限りません。ただし、止まると生ぬるくなる・水温計が高めに振れる・エンジンルームから普段しない音がする場合は、冷却側が関わっていることがあります。無理に使い続けず、早めに点検に出してください。
- ガスを入れれば直りますか。
- 冷媒が減っているだけなら一時的に冷えが戻ることはあります。ただ、減っているのは抜けている場所があるからです。入れるだけでは同じことを繰り返しやすいので、どこから抜けているかを確かめたうえで手当てするのが結果的に早道です。
- 直るまでどれくらいかかりますか。
- 風量や送風の切り替えまわりだけなら比較的短く済むことが多く、冷媒の通り道の部品に関わると部品の手配と作業で日数がかかります。室内側の熱交換器が絡む場合は内装をばらすため、さらに時間を見ておくと安心です。
- エアコンが冷えないと車検は通りませんか。
- 冷房が効かないこと自体は保安基準の項目ではありません。ただし曇り取りが効かない、警告灯が点いたまま、冷却系の不具合で水温が上がるといった状態は別の問題になります。車検の機会に合わせて見てもらうのが無駄がありません。
事例(こうだったから、こうして直った)
集めた事例を1件ずつ。年式・距離・症状の組み合わせと、原因・交換した部品、費用、出典です。文章は引用せず、事実だけを載せています。
他にこんな症状はありますか? 当てはまるものを押すと、事例が絞られて、その組み合わせで多かった部品が出ます。
| 型式・年式 | 走行 | 他の症状 | 原因・交換した部品 | 費用 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| GFC27 2017年式 | — | — | エアコンダンパーサーボ(吹き出し口切替モーター) | — | 国交省 |
| HFC26 2014年式 | 73,800km | エンジンからの異音(冷間時)、エンスト・走行中に止まる、白煙が出る | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| GFC27 2017年式 | 86,394km | — | エバポレーター | — | 国交省 |
| HC26 2014年式 | 82,507km | 水温警告灯・オーバーヒート、白煙が出る、冷却水漏れ・減る | 電動ファン | — | 国交省 |
| GFC27 2016年式 | 48,000km | — | エバポレーター | — | 国交省 |
| GFC27 2018年式 | 45,074km | — | エバポレーター | — | 国交省 |
| GFC28 2024年式 | 10km | — | リアヒーター・リアクーラー | — | 国交省 |
| GFC27 | — | — | エバポレーター | — | 国交省 |
| HFC27 2019年式 | 62,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| GC27 2018年式 | — | — | エバポレーター | — | 国交省 |
| HC26 2013年式 | 53,700km | — | エバポレーター | — | 国交省 |
| HC26 2012年式 | 205,600km | — | ヒューズ・リレー | — | 国交省 |
| HFC26 2015年式 | 31,200km | — | 電動ファン | — | 国交省 |
| HFC26 2015年式 | 40,000km | 水温警告灯・オーバーヒート | 電動ファン | — | 国交省 |
| GFC27 2016年式 | 28,689km | — | エバポレーター | — | 国交省 |
| GFC27 2017年式 | 72,000km | — | エアコンガス(冷媒) | — | 国交省 |
| GFC28 2023年式 | — | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| FNC26 2016年式 | 94,448km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| HFC26 2014年式 | 64,000km | 水温警告灯・オーバーヒート | 電動ファン | — | 国交省 |
| HFC26 2013年式 | 45,934km | — | コンデンサー | — | 国交省 |
| HC26 2014年式 | 90,151km | — | 電動ファン | — | 国交省 |
| HFC26 2014年式 | 74,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| HFC26 2014年式 | 49,576km | — | 電動ファン | — | 国交省 |
| HFC26 2013年式 | 112,100km | エンジンからの異音 | オルタネーター(発電機) | — | 国交省 |
| C25 | — | — | エアコンコンプレッサー、エアコンガス(冷媒) | — | 整備ブログ |
| HFC26 2013年式 | 88,000km | — | ブロワーモーター | — | 国交省 |
| HFC26 2014年式 | 25,900km | 焦げ臭い・ゴム臭い | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| HC26 2014年式 | 88,741km | — | 電動ファン | — | 国交省 |
| HC26 2014年式 | 72,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| HC26 2014年式 | 46,000km | 水温警告灯・オーバーヒート | 電動ファン | — | 国交省 |
| HFC26 2016年式 | 96,239km | — | 電動ファン | — | 国交省 |
| HFC26 2013年式 | 64,674km | — | ブロワーモーター | — | 国交省 |
| FC26 2012年式 | 58,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| FC26 2011年式 | 80,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| HFC26 2014年式 | 17,200km | — | ブロワーモーター | — | 国交省 |
| HFC26 2013年式 | 53,000km | エンジンからの異音、バッテリー警告灯点灯、アイドリングストップしない・警告、警告灯が複数・全部つく、エンスト・走行中に止まる | オルタネーター(発電機) | — | 国交省 |
| HFC26 2013年式 | 31,712km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| HFC26 2013年式 | 61,945km | 水温警告灯・オーバーヒート | 電動ファン | — | 国交省 |
| CC25 2008年式 | 76,660km | 冷却水漏れ・減る | 電動ファン | — | 国交省 |
| HFC26 2013年式 | 30,000km | 水温警告灯・オーバーヒート | 電動ファン | — | 国交省 |
| FNC26 2010年式 | — | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| FC26 2012年式 | 45,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| HFC26 2012年式 | 29,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| FC26 2012年式 | 45,426km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| HC26 2012年式 | 48,600km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| NC26 2012年式 | 40,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| CC25 2010年式 | 56,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| CC25 2008年式 | 51,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| NC26 2011年式 | — | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| CC25 2009年式 | 48,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| CC25 2009年式 | 50,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| CC25 2008年式 | 51,000km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
| C25 2008年式 | 36,322km | — | エアコンコンプレッサー | — | 国交省 |
費用は事例に書かれていた金額です。車両の状態・地域・工場で変わります。「—」は記載なし。
自分で直す人向け: 部品を探す
1位の部品名で検索します。適合は型式・類別で必ず確認してください。
出典
- 国土交通省 自動車不具合情報ホットライン(51件)
- 整備工場のブログ(1件)
「自動車不具合情報ホットライン」(国土交通省)(https://renrakuda.mlit.go.jp/renrakuda/opn.html)を加工して作成
本文は各サイトから引用していません。事例の事実(車種・症状・原因・費用)だけを集計しています。
監修:株式会社たま(関東運輸局長認証工場) 監修日:2026-09-12 更新日:2026-09-12
本ページは全国の整備事例の集計と当社の経験に基づく「疑う順」です。原因の確定は必ず点検で行ってください。修理費は事例の中央値と幅で、車両の状態・地域・工場により異なります。
