N-BOXの故障・持病
N-BOXは軽自動車で一番売れている車で、事例の数も多い分だけ持病がはっきり見えます。初代(JF1・JF2)と2代目(JF3・JF4)で顔ぶれが変わり、初代はCVTとスターター、2代目はパワーウインドウと燃料ポンプです。エンジンは S07A から S07B に変わりましたが、どちらもCVTで、変速機の仕組みは同じです。ここでは整備工場の目線で、世代ごとに「何から疑うか」を整理します。
型式・エンジンを選ぶと、その車の持病・症例・多い故障に切り替わります。
イラストはイメージですエンジンを問わず出るもの
スライドドアのステー・ブラケットの破損(開かない・異音)が世代をまたいで出ています。荷物と人の乗り降りが多い使い方ほど早いです。
軽自動車らしくバッテリーと配線の事例も多く、警告灯が一斉に点く・電装が不安定という訴えは、まず12Vバッテリーの状態と端子の緩みから見ます。
中古で買うとき・長く乗るときに見るところ
2代目(JF3・JF4)は燃料ポンプのリコール改修歴と、窓の動きの渋さを確認します。初代(JF1・JF2)はCVTの異音とスターターの回り方、オイル交換の履歴(チェーンのため)を見ます。
アイドリングストップは切って乗る人も多く、それ自体はスターターとバッテリーの延命になります。確定は点検で。
この車で多い故障(部品別)
集めた整備事例195件のうち、どの部品が原因・交換になったかの割合です。走っている台数あたりの故障率ではありません。
- CVT(無段変速機)31件 16%主な症状: ミッション・CVTからの異音走行70,000km前後で多い
- ウインドウレギュレーター25件 13%主な症状: パワーウインドウが動かない走行40,000km前後で多い
- スターターモーター20件 10%主な症状: エンジンがかからない(セルが回らない)走行50,000km前後で多い
- 燃料ポンプ15件 8%主な症状: エンスト・走行中に止まる走行40,000km前後で多い
- ECU(コンピューター)8件 4%主な症状: エンジンがかからない(セルが回らない)走行30,000km前後で多い
- ブラケット・ステー6件 3%主な症状: 部品の破損・脱落走行20,000km前後で多い
- スパークプラグ6件 3%主な症状: エンジン警告灯(チェックランプ)点灯走行50,000km前後で多い
- タイミングチェーン6件 3%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ走行70,000km前後で多い
- ボディパネル・車体5件 3%主な症状: 錆・腐食走行40,000km前後で多い
- イグニッションコイル5件 3%主な症状: 失火・ガクガクする走行50,000km前後で多い
初代 JF1・JF2(S07A、2011〜2017年)
- 型式
JF1JF2- 年式
- 2011〜2017年
- エンジン
- 0.66L 直3(NA・ターボ)、CVT
CVTとスターターが二本柱。距離が伸びるとタイミングチェーンも
まず疑うのはCVTです。事例では7万km前後、2012〜2016年式に寄っていて、変速機からの異音、走行不能、走行中の振動として出ます。軽のCVTとしてはトルクの大きいターボ車で先に出る傾向があり、フルードの管理が悪い車ほど早いです。
次がスターターモーターで、エンジンがかからない、アイドリングストップから復帰しない、という形で2014〜2016年式に多く出ています(5万km前後)。アイドリングストップ付きの車はスターターの回数が桁違いに多く、ブラシとマグネットスイッチが先に傷みます。かかりが渋くなってきたらバッテリーだけでなくスターターを見ます。
距離が伸びた車ではタイミングチェーンの伸び(エンジン警告灯、始動時のガラガラ音、オイル漏れ)とイグニッションコイルが続きます。S07A はチェーンの張りをオイルの油圧で保つので、オイル交換を延ばした車ほど早く出ます。
症状から見る
- ミッション・CVTからの異音15件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる13件・監修待ち
- エンジンがかからない(セルが回らない)12件・監修待ち
- オイル漏れ・オイルにじみ9件・監修待ち
- 加速しない・パワーが出ない8件・監修待ち
- アイドリングストップしない・警告7件・監修待ち
- 部品の破損・脱落6件・監修待ち
- 走行中のハンドル・車体の振動6件・監修待ち
多い故障(部品別)
- CVT(無段変速機)26件 25%主な症状: ミッション・CVTからの異音走行70,000km前後で多い
- スターターモーター12件 12%主な症状: エンジンがかからない(セルが回らない)走行50,000km前後で多い
- ECU(コンピューター)6件 6%主な症状: エンジンがかからない(セルが回らない)走行30,000km前後で多い
- タイミングチェーン6件 6%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ走行70,000km前後で多い
- イグニッションコイル4件 4%主な症状: 加速しない・パワーが出ない走行40,000km前後で多い
- ウェザーストリップ・シール4件 4%主な症状: エンジンからの異音
- ボディパネル・車体3件 3%主な症状: 錆・腐食走行40,000km前後で多い
- ブラケット・ステー3件 3%主な症状: 部品の破損・脱落
2代目 JF3・JF4(S07B、2017〜2023年)
- 型式
JF3JF4- 年式
- 2017〜2023年
- エンジン
- 0.66L 直3(NA・ターボ)、CVT
パワーウインドウのレギュレーターと燃料ポンプ。どちらも年式の固まった持病
まず挙がるのはパワーウインドウのレギュレーターで、事例の中で最多です。窓が動かない、途中で落ちる、ワイヤーが切れてガラスが斜めになる、という形で2017〜2020年式に集中し、距離は4万km前後と若い車で出ています。運転席側から出ることが多く、片側が出たら反対側も時間の問題と見ます。
次が燃料ポンプです。走行中のエンスト、エンジンがかからない、として2017〜2019年式に寄っています(3万km前後)。この時期の燃料ポンプ(インペラの不良)はメーカーを横断した大規模なリコールになっていて、対象なら無償です。かからない・エンストの前に、リコールの改修を受けているかを先に確認します。
スターターモーターは初代と同じ理由で続きます。CVTの事例は初代より減り、出るのは9万km前後の走行不能やオイル漏れです。
症状から見る
- パワーウインドウが動かない17件・監修待ち
- 部品の破損・脱落16件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる15件・監修待ち
- エンジンがかからない(セルが回らない)12件・監修待ち
- 失火・ガクガクする8件・監修待ち
- エンジン警告灯(チェックランプ)点灯8件・監修待ち
- 警告灯が複数・全部つく7件・監修待ち
- 加速しない・パワーが出ない5件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ウインドウレギュレーター23件 27%主な症状: パワーウインドウが動かない走行40,000km前後で多い
- 燃料ポンプ13件 15%主な症状: エンスト・走行中に止まる走行30,000km前後で多い
- スターターモーター8件 9%主な症状: エンジンがかからない(セルが回らない)走行60,000km前後で多い
- CVT(無段変速機)5件 6%主な症状: 走行不能・走れない走行90,000km前後で多い
- エンジン制御コンピューター4件 5%主な症状: エンジン警告灯(チェックランプ)点灯
- ルーフ・溶接部3件 3%主な症状: 車の下・床下からの異音
- ブラケット・ステー3件 3%主な症状: 部品の破損・脱落走行20,000km前後で多い
- スパークプラグ3件 3%主な症状: 失火・ガクガクする
3代目 JF5・JF6(S07B、2023年〜)
- 型式
JF5JF6- 年式
- 2023年〜
- エンジン
- 0.66L 直3(NA・ターボ)、CVT
事例はまだ少ない。2代目の持病がどう変わったかはこれから
新しい世代で事例はまだ少なく、傾向を語れる段階ではありません。パワーウインドウと燃料ポンプは2代目で対策が入っているので、同じ出方をするかどうかを見ていきます。
症状から見る
このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- カメラ(運転支援・バック)1件 25%主な症状: 運転支援の誤作動・誤警報
- 塗装1件 25%主な症状: 塗装の剥がれ・浮き
- ショックアブソーバー1件 25%主な症状: 部品の破損・脱落
- フロントガラス1件 25%主な症状: ナビ・メーターが再起動する・消える
監修:株式会社たま(関東運輸局長認証工場) 監修日:2026-09-13
