フィットで回転だけ上がって進まない(滑り)
まず疑うのはCVT(無段変速機)です。アクセルを踏むと回転だけ上がって速度がついてこない、登り坂でスーッと力が抜ける、という出方が代表的です。次に疑うのはクラッチ(マニュアル車やクラッチを持つ変速機の車)で、同じ「滑り」でも踏み方や音の出方が違います。フィットでは、この症状の申告はCVT関連が大半を占めています。
疑う順
修理費の目安は、費用の記載がある事例が3件以上集まった部品にだけ載せています。
- 見分け方(自分で確認できること)
- 停止から発進するとき、アクセルの踏み込みに対してエンジンの音だけが先に高くなり、速度が遅れてついてくる。登り坂や追い越しでとくに分かりやすいです。走り出しに小さなガタつきや、ベルトが滑るような連続した音を感じることもあります。シフトの警告表示やエンジン警告灯が一緒に点く場合は、その絵柄を覚えておいてください。オイル交換をしばらくしていない、という記憶も手がかりになります。
- 放置するとどうなる
- 滑りが続くと内部の摩耗が進み、症状が出る範囲が広がります。最終的に前に進まなくなり、自走できないことがあります。修理の範囲も広がりやすいです。
- 出やすい年式・距離
- 2002〜2011年式、走行 14,000〜160,000km(中央値 74,214km)。初度登録から年数が経った個体、走行距離が伸びた個体に多い傾向です。
- 見分け方(自分で確認できること)
- マニュアル車で、クラッチペダルをつないだのにエンジン回転だけ上がる。とくに高いギアや登り坂で顕著です。ペダルのつながる位置が以前より上のほうになった、室内に焦げたような匂いが入ってくる、といった変化も手がかりになります。半クラッチの時間が長い運転が続いた後に出やすいです。
- 放置するとどうなる
- 滑ったまま使うと摩擦面の減りが早まり、つながらなくなって発進できなくなります。熱で周辺の部品まで傷めることがあります。
- 出やすい年式・距離
- 2014〜2017年式、走行 81,154〜124,560km(中央値 90,000km)。年式が比較的新しい個体でも、走行距離が伸びたものに見られます。
その他の事例(各1件): DCT(デュアルクラッチ変速機)、テールランプ
ここに挙げたのは、症状から絞り込むための疑う順番です。同じ「滑り」でも、原因になっている箇所は車ごとに違います。確定は点検で。
よくある質問
- このまま走っても大丈夫ですか
- 短い距離でも、滑りを感じながら走ると内部の摩耗が進みます。回転だけ上がって速度が出ない状態が続くなら、無理に高速道路や長い登り坂を使わず、早めに見てもらってください。動かなくなる前に相談するほうが、結果的に修理の範囲が狭く済みます。
- オイルを替えれば直りますか
- 油の状態が関係していることはありますが、すでに滑りが出ている場合は、交換だけで元に戻るとは限りません。まず状態を見てから、交換で様子を見るか、内部の点検に進むかを決める流れになります。自己判断で市販の添加剤を入れるのは避けてください。
- 車検は通りますか
- 変速機の滑りそのものは検査の項目ではありませんが、走行に支障が出ていれば整備が必要です。ランプの不点灯は保安基準に関わるので、点いていない箇所があれば直してからの受検になります。
- 直るまでどのくらいかかりますか
- 確認だけなら短時間で済みます。どこまで手を入れるかによって日数も部品の手配も変わるため、まず点検の結果を聞いてから見通しを立てるのが確実です。
事例(こうだったから、こうして直った)
集めた事例を1件ずつ。年式・距離・症状の組み合わせと、原因・交換した部品、費用、出典です。文章は引用せず、事実だけを載せています。
他にこんな症状はありますか? 当てはまるものを押すと、事例が絞られて、その組み合わせで多かった部品が出ます。
| 型式・年式 | 走行 | 他の症状 | 原因・交換した部品 | 費用 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| GP5 2015年式 | 90,000km | ギアが入らない・動かない | クラッチ | — | 国交省 |
| GP5 2014年式 | 178,000km | 焦げ臭い・ゴム臭い | DCT(デュアルクラッチ変速機) | — | 国交省 |
| GP5 2017年式 | 78,942km | ハイブリッドシステム警告 | クラッチ | — | 国交省 |
| GP5 2014年式 | 133,200km | — | クラッチ | — | 国交省 |
| GP5 | — | 警告灯点灯(種類不明)、走行不能・走れない | クラッチ | — | 国交省 |
| GE6 2013年式 | 90,000km | 変速ショック・ギクシャク、ギアが入らない・動かない | CVT(無段変速機) | — | 国交省 |
| GP5 2013年式 | 21,167km | 走行不能・走れない | テールランプ | — | 国交省 |
| GD1 2004年式 | 170,000km | 走行不能・走れない | CVT(無段変速機) | — | 国交省 |
| GD1 2003年式 | 14,000km | — | CVT(無段変速機) | — | 国交省 |
| GD1 2004年式 | 160,000km | 走行中のハンドル・車体の振動 | CVT(無段変速機) | — | 国交省 |
| GD1 2007年式 | 45,400km | — | CVT(無段変速機)(未解決) | — | 国交省 |
| GD1 2005年式 | 74,214km | ギアが入らない・動かない | CVT(無段変速機) | — | 国交省 |
| GP1 2011年式 | 100km | 警告灯点灯(種類不明)、加速しない・パワーが出ない | CVT(無段変速機) | — | 国交省 |
| GD1 2006年式 | 65,400km | 加速しない・パワーが出ない | CVT(無段変速機) | — | 国交省 |
| GD1 2001年式 | 144,500km | アイドリング不調・振動 | CVT(無段変速機) | — | 国交省 |
| GD1 2002年式 | 70,000km | 発進時のジャダー・ガクガク | CVT(無段変速機) | — | 国交省 |
| GD1 2002年式 | 108,960km | 変速ショック・ギクシャク | CVT(無段変速機) | — | 国交省 |
費用は事例に書かれていた金額です。車両の状態・地域・工場で変わります。「—」は記載なし。
自分で直す人向け: 部品を探す
1位の部品名で検索します。適合は型式・類別で必ず確認してください。
出典
- 国土交通省 自動車不具合情報ホットライン(17件)
「自動車不具合情報ホットライン」(国土交通省)(https://renrakuda.mlit.go.jp/renrakuda/opn.html)を加工して作成
本文は各サイトから引用していません。事例の事実(車種・症状・原因・費用)だけを集計しています。
監修:株式会社たま(関東運輸局長認証工場) 監修日:2026-09-12 更新日:2026-09-12
本ページは全国の整備事例の集計と当社の経験に基づく「疑う順」です。原因の確定は必ず点検で行ってください。修理費は事例の中央値と幅で、車両の状態・地域・工場により異なります。
