ランドクルーザーの故障・持病
ランドクルーザーは 70系・80系・100系・200系、そして 250 と続く長い系譜で、ディーゼルとガソリンV8で中身がまったく違います。集めた事例で最も多いのは 100系ディーゼル(1HD-FTE)の燃料漏れで、噴射ポンプと燃料ポンプに集中しています。100系ガソリン(2UZ-FE)はハンドルが取られる・ブレーキが効かないという足回りと制動の訴えが中心です。ここでは整備工場の目線で、世代ごとに「何から疑うか」を整理します。
型式・エンジンを選ぶと、その車の持病・症例・多い故障に切り替わります。
イラストはイメージです症状から見る
この車種の監修済み症例はまだありません。
エンジンを問わず出るもの
車体が重くタイヤも大きいので、ボールジョイント、ロアアームのブッシュ、ハブベアリング、ブレーキの消耗は年式を問わず出ます。ラダーフレームの錆も同じで、下回りを洗う習慣で寿命が変わります。
中古で買うとき・長く乗るときに見るところ
100系ディーゼルはエンジン上部の軽油のにおいとにじみ、噴射ポンプの交換歴を見ます。ガソリンV8はタイミングベルトの交換歴とブレーキの引きずり、パワーステアリングのオイル漏れ。70系・80系はフレームの錆。確定は点検で。
この車で多い故障(部品別)
集めた整備事例36件のうち、どの部品が原因・交換になったかの割合です。走っている台数あたりの故障率ではありません。
- サプライポンプ(高圧燃料ポンプ)5件 14%主な症状: 燃料漏れ・燃料の匂い走行210,000km前後で多い
- スターターモーター4件 11%主な症状: エンジンがかからない(セルが回らない)走行130,000km前後で多い
- ブレーキブースター3件 8%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い走行90,000km前後で多い
- 燃料ポンプ3件 8%主な症状: 燃料漏れ・燃料の匂い走行150,000km前後で多い
- パワーステアリング(ポンプ・モーター)3件 8%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ走行50,000km前後で多い
- ブレーキキャリパー2件 6%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- ロアアーム・ブッシュ2件 6%主な症状: ハンドルが取られる・まっすぐ走らない
- オルタネーター(発電機)1件 3%主な症状: 焦げ臭い・ゴム臭い
- AT(オートマチック)1件 3%主な症状: 変速ショック・ギクシャク
- アクスルシャフト1件 3%主な症状: ブレーキの引きずり・タイヤがロック
この距離で車検に落ちる項目(英国のデータ)
英国の車検(MOT)の公開データから、走行距離ごとの不合格率を出したものです。英国で走っている同じ車の実績で、日本からの中古並行輸入も多く含まれます。
100系 1HD-FTE
| 10〜15万km133台 | ドライブシャフトブーツ 24.1%フロントガラス 4.5%parking_brake 3.0% |
|---|---|
| 15〜20万km300台 | ドライブシャフトブーツ 14.0%スタビライザーリンク 9.3%ボディパネル・車体 6.0% |
| 20〜25万km514台 | ドライブシャフトブーツ 13.0%parking_brake 5.8%フロントガラス 4.7% |
| 25〜30万km592台 | parking_brake 9.5%スタビライザーリンク 8.1%フロントガラス 6.8% |
| 30以上万km1,190台 | parking_brake 8.7%フロントガラス 7.0%エアバッグ 5.6% |
200系 ディーゼル 1VD-FTV
| 5〜10万km163台 | ブレーキキャリパー 2.5%ブレーキローター(ディスク) 1.2%parking_brake 1.2% |
|---|---|
| 10〜15万km224台 | parking_brake 3.6%フロントガラス 3.1%スタビライザーリンク 1.8% |
| 15〜20万km203台 | フロントガラス 2.5%parking_brake 1.5%ボールジョイント 1.0% |
融雪塩による錆と、タイヤ・ワイパー・電球などの消耗品は除いています。英国の道路事情によるもので、日本の車検の合否とは基準が違います。出典: DVSA(Open Government Licence v3.0)
100系 ディーゼル HDJ101(1HD-FTE、1998〜2007年)
- 型式
HDJ101- 年式
- 1998〜2007年
- エンジン
- 4.2L 直6 ディーゼルターボ 1HD-FTE、4AT/5MT
噴射ポンプまわりからの燃料漏れ。15万km前後で出る
まず疑うのは噴射ポンプ(サプライポンプ)です。燃料漏れと燃料のにおい、として1990年代後半〜2004年式、15万km前後に集中していて、この世代の事例の3分の1を占めます。1HD-FTE の噴射ポンプは、本体のシール(Oリング)とタイマー側からの燃料のにじみが知られた持病で、エンジン上部から軽油のにおいがする、下に垂れる、という出方をします。においの段階で見てもらう部位です。
次が燃料ポンプ(燃料漏れ、始動不良)で、これも同じ燃料系です。始動直後の白煙(グロープラグや圧縮の低下)、スターターモーター、ブレーキブースター、デファレンシャル、アクスルシャフト、オルタネーターと続きます。距離が20万kmを超える車が多く、消耗としての交換が増えます。
症状から見る
- 燃料漏れ・燃料の匂い7件・監修待ち
- ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い2件・監修待ち
- 白煙が出る2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- サプライポンプ(高圧燃料ポンプ)5件 36%主な症状: 燃料漏れ・燃料の匂い走行210,000km前後で多い
- 燃料ポンプ3件 21%主な症状: 燃料漏れ・燃料の匂い走行150,000km前後で多い
- オルタネーター(発電機)1件 7%主な症状: 焦げ臭い・ゴム臭い
- アクスルシャフト1件 7%主な症状: ブレーキの引きずり・タイヤがロック
- ブレーキブースター1件 7%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- デファレンシャル(デフ)1件 7%主な症状: 走行不能・走れない
- ハブベアリング1件 7%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- スターターモーター1件 7%主な症状: 白煙が出る
100系 ガソリンV8 UZJ100(2UZ-FE、1998〜2007年)
- 型式
UZJ100- 年式
- 1998〜2007年
- エンジン
- 4.7L V8 ガソリン 2UZ-FE、4AT/5AT
ハンドルが取られる、ブレーキの効きが落ちる。重い車体の足回り
まず挙がるのはハンドルが取られる訴えで、パワーステアリング(ギアボックスとホースからのオイル漏れ)、ロアアーム、ステアリングインターミディエイトシャフトが原因として出ています。次がブレーキの効きの低下で、ブレーキブースターとブレーキキャリパーの引きずりです。2.5トン近い車体をディスクで止めるので、キャリパーのピストンの戻りが悪くなると効きの低下と偏った減りに直結します。
エンジン本体の事例はほとんどなく、スロットルボディ、ドライブシャフトブーツの破れ、オイル漏れが少数です。2UZ-FE はタイミングベルト式で、10万kmごとの交換歴を確認します。
症状から見る
- ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い3件・監修待ち
- ハンドルが取られる・まっすぐ走らない3件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ブレーキブースター2件 20%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- ブレーキキャリパー2件 20%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- パワーステアリング(ポンプ・モーター)2件 20%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ
- AT(オートマチック)1件 10%主な症状: 変速ショック・ギクシャク
- ロアアーム・ブッシュ1件 10%主な症状: ハンドルが取られる・まっすぐ走らない
- ステアリングインターミディエイトシャフト1件 10%主な症状: ハンドルが取られる・まっすぐ走らない
- スロットルボディ1件 10%主な症状: 加速しない・パワーが出ない
200系 前期 UZJ200(2UZ-FE、2007〜2011年)
- 型式
UZJ200- 年式
- 2007〜2011年
- エンジン
- 4.7L V8 ガソリン 2UZ-FE、5AT/6AT
事例は少ない。パワステとブーツの漏れ
事例は少なく、パワーステアリングのオイル漏れ(焦げたにおい)、ドライブシャフトブーツの破れが挙がっています。100系と同じ見方で、足回りと油圧まわりから見ます。
症状から見る
このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- ドライブシャフトブーツ1件 50%主な症状: 焦げ臭い・ゴム臭い
- パワーステアリング(ポンプ・モーター)1件 50%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ
70系 HZJ7系(1HZ、1990〜2004年/2014年再販)
- 型式
HZJ7PZJ7- 年式
- 1990〜2004年
- エンジン
- 4.2L 直6 ディーゼル(自然吸気)1HZ、5MT
錆と雨漏り、スターターモーター。機械は丈夫
事例は少なく、ルーフからの雨漏りとボディの錆、スターターモーター、床下の異音です。1HZ は過給器も電子制御も持たない機械式で、エンジンそのものの事例はほとんど出ていません。この世代で見るのは、フレームとボディの錆、下回りの状態です。
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このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- スターターモーター2件 67%主な症状: 部品の破損・脱落
- ルーフ・溶接部1件 33%主な症状: 錆・腐食
80系 HDJ81・FZJ80(1HD-T/1HD-FT、1990〜1997年)
- 型式
HDJ8FZJ8FJ8- 年式
- 1990〜1997年
- エンジン
- 4.2L 直6 ディーゼルターボ/ガソリン、4AT/5MT
事例は少ない。スターターモーター
事例は1件(スターターモーターでセルが回らない)です。傾向を語れる段階ではありません。100系ディーゼルの噴射系と、70系の錆の見方が近い世代です。
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このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- スターターモーター1件 100%主な症状: エンジンがかからない(セルが回らない)
250 GDJ250(1GD-FTV、2024年〜)
- 型式
GDJ25- 年式
- 2024年〜
- エンジン
- 2.8L 直4 ディーゼルターボ、8AT、DPF・尿素SCR
新しく事例はこれから。燃料フィルターの警告
事例は1件(燃料フィルターの警告)だけです。1GD-FTV はプラドやハイエースと同じエンジンなので、当面はそちらの見方(サプライポンプ、DPF、インジェクター)を借ります。
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このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- 燃料タンク・サクションチューブ1件 100%主な症状: 燃料フィルター警告灯
5VZ-FE 3.4L V6(120系)
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このエンジンの監修済み症例はまだありません。「全エンジン」のページも参考にしてください。
多い故障(部品別)
- ブレーキローター(ディスク)1件 100%主な症状: ブレーキ時のハンドル振動・ジャダー
監修:株式会社たま(関東運輸局長認証工場) 監修日:2026-09-13
