フォレスターの故障・持病
フォレスターは世代ごとに持病がはっきり分かれます。SK(2018年〜)はサーモコントロールバルブとサーモスタットの警告灯、SJ(2012〜2018年)はブレーキブースター、SG・SH(2002〜2012年)はHIDのバラストです。集めた事例の半分近くが SK のサーモ関係で、年式と距離が固まっています。ここでは整備工場の目線で、世代ごとに「何から疑うか」を整理します。
型式・エンジンを選ぶと、その車の持病・症例・多い故障に切り替わります。
イラストはイメージです症状から見る
この車種の監修済み症例はまだありません。
エンジンを問わず出るもの
ロアアームのブッシュの劣化(曲がるときのカリカリ音、段差でゴトゴト)は SJ を中心に出ています。エアコンコンプレッサーは焼き付きでエンストや焦げ臭さにつながる事例があり、異音の段階で見ます。
中古で買うとき・長く乗るときに見るところ
SK はサーモコントロールバルブのリコール改修歴、SJ はブレーキブースターの交換歴と朝一番のペダルの固さ、SG はヘッドライトが両側とも点くか。確定は点検で。
この車で多い故障(部品別)
集めた整備事例199件のうち、どの部品が原因・交換になったかの割合です。走っている台数あたりの故障率ではありません。
- サーモコントロールバルブ46件 23%主な症状: 警告灯が複数・全部つく走行50,000km前後で多い
- サーモスタット28件 14%主な症状: 警告灯が複数・全部つく走行50,000km前後で多い
- ブレーキブースター26件 13%主な症状: ブレーキペダルが固い・重い走行40,000km前後で多い
- HIDバラスト11件 6%主な症状: ライト・ランプが点かない走行100,000km前後で多い
- 配線・コネクタ(断線・接触不良)8件 4%主な症状: ライト・ランプが点かない走行60,000km前後で多い
- エアコンコンプレッサー6件 3%主な症状: エンスト・走行中に止まる走行30,000km前後で多い
- ロアアーム・ブッシュ6件 3%主な症状: 曲がるときカリカリ・カタカタ音走行60,000km前後で多い
- クラッチ4件 2%主な症状: 走行不能・走れない走行90,000km前後で多い
- CVT(無段変速機)4件 2%主な症状: ギアが入らない・動かない走行70,000km前後で多い
- ヘッドライトバルブ4件 2%主な症状: ライト・ランプが点かない走行90,000km前後で多い
この距離で車検に落ちる項目(英国のデータ)
英国の車検(MOT)の公開データから、走行距離ごとの不合格率を出したものです。英国で走っている同じ車の実績で、日本からの中古並行輸入も多く含まれます。
SH・SJ・SK FB20・EJ20
| 0〜5万km1,299台 | フロントガラス 1.7%ロアアーム・ブッシュ 0.8%コイルスプリング 0.8% |
|---|---|
| 5〜10万km2,541台 | ロアアーム・ブッシュ 4.1%フロントガラス 1.8%コイルスプリング 1.7% |
| 10〜15万km2,375台 | スタビライザーリンク 4.4%ボールジョイント 3.9%フロントガラス 3.2% |
| 15〜20万km2,365台 | ボールジョイント 8.5%スタビライザーリンク 7.7%フロントガラス 5.1% |
| 20〜25万km1,761台 | スタビライザーリンク 8.3%触媒 6.6%フロントガラス 4.9% |
| 25〜30万km924台 | ボールジョイント 15.3%スタビライザーリンク 10.1%触媒 9.5% |
| 30以上万km346台 | ボールジョイント 18.2%スタビライザーリンク 11.0%フロントガラス 7.5% |
欧州 SH・SJ EE20 ボクサーディーゼル
| 0〜5万km218台 | コイルスプリング 2.8%ロアアーム・ブッシュ 1.8%マフラー 1.4% |
|---|---|
| 5〜10万km1,049台 | コイルスプリング 4.4%ロアアーム・ブッシュ 3.5%フロントガラス 3.1% |
| 10〜15万km1,542台 | ロアアーム・ブッシュ 6.7%ボールジョイント 5.2%フロントガラス 3.3% |
| 15〜20万km1,465台 | ボールジョイント 10.1%ロアアーム・ブッシュ 8.8%スタビライザーリンク 8.5% |
| 20〜25万km727台 | ボールジョイント 12.5%スタビライザーリンク 11.4%ロアアーム・ブッシュ 6.3% |
| 25〜30万km207台 | ボールジョイント 18.4%ロアアーム・ブッシュ 9.7%スタビライザーリンク 9.2% |
SH・SJ・SK FB25・EJ25
| 5〜10万km102台 | スタビライザーリンク 5.9%ブレーキローター(ディスク) 3.9%マフラー 3.9% |
|---|---|
| 10〜15万km330台 | スタビライザーリンク 8.8%ボディパネル・車体 7.0%ボールジョイント 6.4% |
| 15〜20万km526台 | スタビライザーリンク 9.5%ドライブシャフトブーツ 7.0%触媒 6.7% |
| 20〜25万km341台 | ボールジョイント 8.8%スタビライザーリンク 7.0%ドライブシャフトブーツ 6.7% |
| 25〜30万km129台 | ボールジョイント 11.6%スタビライザーリンク 11.6%触媒 11.6% |
融雪塩による錆と、タイヤ・ワイパー・電球などの消耗品は除いています。英国の道路事情によるもので、日本の車検の合否とは基準が違います。出典: DVSA(Open Government Licence v3.0)
SK9(FB25、CVT、2018〜2020年)
- 型式
SK9- 年式
- 2018〜2020年
- エンジン
- 2.5L 水平対向4気筒 直噴、CVT(リニアトロニック)
サーモコントロールバルブとサーモスタット。警告灯が複数点いたらまずここ
まず疑うのはサーモコントロールバルブです。警告灯が複数点く、エンジン警告灯、として2018〜2020年式、5万km前後に集中していて、この世代の事例の6割を占めます。冷却水の流れを電子制御するバルブで、動かなくなると水温の制御が狂い、警告灯が一斉に点きます。この部位はリコールの対象になっているので、改修歴を最初に確認します。サーモスタットの事例も同じ年式に固まっていて、同じ症状の出方です。
それ以外の事例は少なく、ブレーキブースター、ECU、配線が各1件です。
症状から見る
- 警告灯が複数・全部つく44件・監修待ち
- エンジン警告灯(チェックランプ)点灯34件・監修待ち
- 水温が上がらない・暖まらない9件・監修待ち
- 加速しない・パワーが出ない8件・監修待ち
- 運転支援の誤作動・誤警報7件・監修待ち
- 警告灯点灯(種類不明)6件・監修待ち
- 水温警告灯・オーバーヒート6件・監修待ち
- 走行不能・走れない5件・監修待ち
多い故障(部品別)
- サーモコントロールバルブ43件 60%主な症状: 警告灯が複数・全部つく走行50,000km前後で多い
- サーモスタット26件 36%主な症状: 警告灯が複数・全部つく走行50,000km前後で多い
- ブレーキブースター1件 1%主な症状: ブレーキペダルが固い・重い
- ECU(コンピューター)1件 1%主な症状: 意図しない急加速(申告)
- 配線・コネクタ(断線・接触不良)1件 1%主な症状: パワーウインドウが動かない
SJ5(FB20、CVT、2012〜2018年)
- 型式
SJ5- 年式
- 2012〜2018年
- エンジン
- 2.0L 水平対向4気筒、CVT(リニアトロニック)
ブレーキブースターの負圧不良。ペダルが固い・エンジンがかからない
まず疑うのはブレーキブースターです。ブレーキペダルが固い、効きが悪い、エンジンがかからない、として2013〜2017年式、5万km前後に集中し、この世代の事例の3分の1を占めます。ブースターに負圧を送る系統(チェックバルブとホース)の不良で、負圧が抜けるとペダルが固くなり、エンジン側にも影響します。冷えた朝の最初の一踏みが固い、という訴えが手がかりです。
ロアアームのブッシュ(曲がるときのカリカリ音、段差でゴトゴト)、配線・コネクタ、CVT(エンスト、走行不能)、VVTアクチュエータのオイル漏れ、エアコンコンプレッサーが続きます。
症状から見る
- ブレーキペダルが固い・重い8件・監修待ち
- エンジンがかからない(セルが回らない)6件・監修待ち
- ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い5件・監修待ち
- 走行不能・走れない5件・監修待ち
- 部品の破損・脱落5件・監修待ち
- 走行中のハンドル・車体の振動3件・監修待ち
- オイル漏れ・オイルにじみ2件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ブレーキブースター14件 33%主な症状: ブレーキペダルが固い・重い走行50,000km前後で多い
- ロアアーム・ブッシュ4件 10%主な症状: 曲がるときカリカリ・カタカタ音走行60,000km前後で多い
- 配線・コネクタ(断線・接触不良)3件 7%主な症状: ライト・ランプが点かない走行40,000km前後で多い
- エアコンコンプレッサー2件 5%主な症状: エアコンをつけると異音
- CVT(無段変速機)2件 5%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- ショックアブソーバー2件 5%主な症状: 部品の破損・脱落
- VVTアクチュエータ・OCV2件 5%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ
- コンデンサー1件 2%主な症状: エアコンが冷えない
SJG ターボ(FA20 直噴ターボ、CVT、2012〜2018年)
- 型式
SJG- 年式
- 2012〜2018年
- エンジン
- 2.0L 水平対向4気筒 直噴ターボ、CVT
ブレーキブースターは同じ。エアコンとバルブステムシール
ブレーキブースターの持病は FB20 と同じで、2013〜2016年式、3万km前後の若い距離から出ています。ロアアームのブッシュ、エアコンコンプレッサーとエバポレーター(冷えない、エンスト)、VVTアクチュエータのオイル漏れ、バルブステムシール(アイドリング不調)が続きます。直噴ターボなので、吸気側のカーボンとオイルの消費も頭に置きます。
症状から見る
- ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い5件・監修待ち
- ブレーキペダルが固い・重い4件・監修待ち
- オイル漏れ・オイルにじみ3件・監修待ち
- 警告灯が複数・全部つく3件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる2件・監修待ち
- ハンドルが重い2件・監修待ち
- 走行中のハンドル・車体の振動2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ブレーキブースター9件 41%主な症状: ブレーキペダルが固い・重い走行30,000km前後で多い
- エアコンコンプレッサー2件 9%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- エバポレーター2件 9%主な症状: エアコンが冷えない
- ロアアーム・ブッシュ2件 9%主な症状: 曲がるときカリカリ・カタカタ音
- VVTアクチュエータ・OCV2件 9%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ
- ブレーキマスターシリンダー1件 5%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- CVT(無段変速機)1件 5%主な症状: 変速ショック・ギクシャク
- エアフロセンサー1件 5%主な症状: 警告灯が複数・全部つく
SK5(CB18 1.8L 直噴ターボ、CVT、2020年〜)
- 型式
SK5- 年式
- 2020年〜
- エンジン
- 1.8L 水平対向4気筒 直噴ターボ(リーンバーン)、CVT
事例はまだ少ない。サーモコントロールバルブ、EGR、インジェクター
事例はまだ少なく、サーモコントロールバルブ(警告灯、エアコンが冷えない)、EGRバルブ(エンスト、かからない)、インジェクター、サクションコントロールバルブが挙がっています。CB18 はEGRとインジェクターでリコールが出ている年式があり、エンストやかからない訴えはまず改修歴を確認します。
症状から見る
- エンスト・走行中に止まる4件・監修待ち
- 警告灯点灯(種類不明)3件・監修待ち
- エンジンがかからない(セルが回らない)2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- EGRバルブ2件 25%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- サーモコントロールバルブ2件 25%主な症状: 警告灯点灯(種類不明)
- エンジン制御コンピューター1件 13%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ
- インジェクター1件 13%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- サクションコントロールバルブ(SCV)1件 13%主な症状: 加速しない・パワーが出ない
- サーモスタット1件 13%主な症状: 水温警告灯・オーバーヒート
SF・SG・SH(EJ20、2000〜2012年)
- 型式
SF5SG5SH5- 年式
- 2000〜2012年
- エンジン
- 2.0L 水平対向4気筒(NA・ターボ)、4AT/5MT
HIDバラストとヘッドライトの配線。年数の経った車の消耗
まず挙がるのはHIDバラストで、ライトが点かない・片側だけ消える、として2005〜2007年式、10万km前後に集中しています。ヘッドライトバルブと配線・コネクタ(ライト、エアバッグ警告灯)も同じ系統で、SG のヘッドライトまわりは持病といえます。ハブベアリング、燃料ポンプ(1997年式)、ウェザーストリップの雨漏り、クラッチ(MT)が続きます。EJ20 そのものは丈夫で、事例は電装と年数相応の消耗が中心です。
症状から見る
- ライト・ランプが点かない13件・監修待ち
- 部品の破損・脱落7件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる6件・監修待ち
- 走行不能・走れない6件・監修待ち
- 雨漏り・室内が濡れる4件・監修待ち
- ギアが入らない・動かない3件・監修待ち
- 加速しない・パワーが出ない2件・監修待ち
- ランプ内側の曇り2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- HIDバラスト8件 19%主な症状: ライト・ランプが点かない走行100,000km前後で多い
- 配線・コネクタ(断線・接触不良)4件 9%主な症状: ライト・ランプが点かない走行90,000km前後で多い
- ヘッドライトバルブ3件 7%主な症状: ライト・ランプが点かない走行90,000km前後で多い
- AT(オートマチック)2件 5%主な症状: 意図しない急加速(申告)
- クラッチ2件 5%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- 燃料ポンプ2件 5%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- ハブベアリング2件 5%主な症状: ブレーキの引きずり・タイヤがロック
- ラジエーター2件 5%主な症状: 走行不能・走れない
SG9・SH9(EJ25、2004〜2011年)
- 型式
SG9SH9SF9- 年式
- 2004〜2011年
- エンジン
- 2.5L 水平対向4気筒、4AT/5AT
事例は少ない。HIDバラストとブレーキブースター
事例は少なく、HIDバラスト(2005年式、10万km前後)、ブレーキブースター(2011年式)、クラッチ、ハブベアリング、ウォーターバイパスパイプ、パワーウインドウのレギュレーターが挙がっています。EJ20 と同じ見方です。
症状から見る
- ライト・ランプが点かない3件・監修待ち
多い故障(部品別)
- HIDバラスト3件 38%主な症状: ライト・ランプが点かない走行100,000km前後で多い
- ブレーキブースター1件 13%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- クラッチ1件 13%主な症状: ギアが入らない・動かない
- ハブベアリング1件 13%主な症状: 車の下・床下からの異音
- ウォーターバイパスパイプ(樹脂製)1件 13%主な症状: 冷却水漏れ・減る
- ウインドウレギュレーター1件 13%主な症状: パワーウインドウが動かない
監修:株式会社たま(関東運輸局長認証工場) 監修日:2026-09-13
