フォレスターの故障・持病
フォレスターは国内で147件の事例が集まりました。エンジン別ではFB25(2.5L、5代目)が42件で最も多く、次いでEJ20(2.0L)が37件、FB20(2.0L、4代目)が32件、FA20が19件と続きます。EJ25は8件、CB18(1.8L)は5件で、事例はまだ少ない段階です。世代が変わると出るものもはっきり変わる車で、新しい世代は冷却系まわりの警告灯、4代目まわりはブレーキブースター、古い世代はライトまわりに寄っています。ここでは整備工場の目線で、エンジンごとに何から疑うかを整理します。
型式・エンジンを選ぶと、その車の持病・症例・多い故障に切り替わります。
イラストはイメージです症状から見る
この車種の監修済み症例はまだありません。
エンジンを問わず出るもの
全147件を通して多いのはサーモスタットの28件、次いでブレーキブースターの20件、サーモコントロールバルブの14件です。ただしサーモスタットとサーモコントロールバルブはFB25に、ブレーキブースターはFB20とFA20に集まっていて、世代をまたいで均等に出ているわけではありません。
世代をまたいで顔を出すのは、配線・コネクタ(断線・接触不良)の7件です。2002〜2018年式と年式の幅が広く、距離は5万km前後。ライト・ランプが点かない、エアバッグ警告灯点灯といった、電気が絡む症状として出ています。
そのほか、エアコンコンプレッサーが5件(2012〜2021年式、5万km前後)、ロアアーム・ブッシュが5件(2013〜2016年式、6万km前後)、クラッチが4件(2008〜2012年式、9万km前後)、VVTアクチュエータ・OCVが4件、CVTが3件です。症状の全体順位は、警告灯が複数・全部つく(26件)、エンジン警告灯点灯(24件)、ライト・ランプが点かない(17件)、エンスト・走行中に止まる(14件)の順になっています。
中古で買うとき・長く乗るときに見るところ
5代目のFB25なら、水温計まわりの動きと警告灯の履歴を見ます。事例ではサーモスタットが5万km前後、サーモコントロールバルブが6万km前後で出ていますから、その手前の距離の車でも、暖まり方が遅い・水温が上がらないという申告があれば早めに見ておく形です。試乗で警告灯が点いていないか、消してすぐ再点灯しないかも確かめます。
4代目のFB20・FA20は、ブレーキペダルの踏み心地を優先して確認します。事例ではブースターがFA20で3万km前後、FB20で5万km前後から出ていて、ペダルが深い・逆に固いという両方の出方があります。あわせて、段差や曲がるときの足まわりの音も聞いておくと、ロアアーム・ブッシュの状態の目安になります。
古い世代のEJ20・EJ25は、ライトが両側とも正常に点くか、内側が曇っていないかから。事例はHIDバラストが8〜10万km前後に寄っています。距離の伸びた個体では、クラッチやAT、燃料ポンプ、雨漏りの事例も出ているので、購入前に下回りと室内の濡れも見ておきたいところです。確定は点検で。
この車で多い故障(部品別)
集めた整備事例199件のうち、どの部品が原因・交換になったかの割合です。走っている台数あたりの故障率ではありません。
- サーモコントロールバルブ46件 23%主な症状: 警告灯が複数・全部つく走行50,000km前後で多い
- サーモスタット28件 14%主な症状: 警告灯が複数・全部つく走行50,000km前後で多い
- ブレーキブースター26件 13%主な症状: ブレーキペダルが固い・重い走行40,000km前後で多い
- HIDバラスト11件 6%主な症状: ライト・ランプが点かない走行100,000km前後で多い
- 配線・コネクタ(断線・接触不良)8件 4%主な症状: ライト・ランプが点かない走行60,000km前後で多い
- エアコンコンプレッサー6件 3%主な症状: エンスト・走行中に止まる走行30,000km前後で多い
- ロアアーム・ブッシュ6件 3%主な症状: 曲がるときカリカリ・カタカタ音走行60,000km前後で多い
- クラッチ4件 2%主な症状: 走行不能・走れない走行90,000km前後で多い
- CVT(無段変速機)4件 2%主な症状: ギアが入らない・動かない走行70,000km前後で多い
- ヘッドライトバルブ4件 2%主な症状: ライト・ランプが点かない走行90,000km前後で多い
FB25 2.5L ガソリン(5代目 SK9)
- 型式
SK9SK9SK9- 年式
- 2018〜2020
- エンジン
- FB25 2.5L ガソリン
冷却系の部品で警告灯が出る世代。走りより先に灯りで気づく
まず疑うのはサーモスタット(冷却水の流れを開け閉めして水温を調整する部品)です。事例42件のうち26件とこの世代の中で突出していて、症状は警告灯が複数・全部つく、エンジン警告灯(チェックランプ)点灯という出方が多くなっています。走行距離は5万km前後、年式は2018〜2020年式に寄っています。
次に多いのがサーモコントロールバルブ(水温に合わせて冷却水の経路を切り替える部品)で14件です。こちらも症状はチェックランプ点灯と警告灯が複数つく形で、サーモスタットと見分けがつきにくいところがあります。距離は6万km前後で、水温が上がらない・暖まらないという申告が一緒に出ていれば、この二つのどちらかとして見ます。
そのほかはECU(コンピューター)と配線・コネクタ(断線・接触不良)が各1件と少数です。加速しない・パワーが出ないという申告も4件ありますが、件数としては冷却系まわりに大きく偏っている世代です。
症状から見る
- 警告灯が複数・全部つく44件・監修待ち
- エンジン警告灯(チェックランプ)点灯34件・監修待ち
- 水温が上がらない・暖まらない9件・監修待ち
- 加速しない・パワーが出ない8件・監修待ち
- 運転支援の誤作動・誤警報7件・監修待ち
- 警告灯点灯(種類不明)6件・監修待ち
- 水温警告灯・オーバーヒート6件・監修待ち
- 走行不能・走れない5件・監修待ち
多い故障(部品別)
- サーモコントロールバルブ43件 60%主な症状: 警告灯が複数・全部つく走行50,000km前後で多い
- サーモスタット26件 36%主な症状: 警告灯が複数・全部つく走行50,000km前後で多い
- ブレーキブースター1件 1%主な症状: ブレーキペダルが固い・重い
- ECU(コンピューター)1件 1%主な症状: 意図しない急加速(申告)
- 配線・コネクタ(断線・接触不良)1件 1%主な症状: パワーウインドウが動かない
EJ20 2.0L ガソリン(2代目SG5・3代目SH5ほか)
- 型式
SG5SH5SF5SG5SH5SF5SG5SH5SF5- 年式
- 1998〜2010年
- エンジン
- EJ20 2.0L ガソリン
年数が出た世代。灯りまわりと、そこから先の足まわり・駆動系
まず疑うのはHIDバラスト(HIDヘッドライトを点灯させる高電圧の装置)です。事例37件のうち7件で、症状はライト・ランプが点かない。走行距離は8万km前後、年式は2005〜2007年式に集まっています。この世代の症状で一番多いのがライト・ランプが点かない(13件)で、灯りの相談から入ることが多い世代です。
次に多いのが配線・コネクタ(断線・接触不良)の4件と、ヘッドライトバルブの3件です。配線は2000〜2009年式と幅があり、9万km前後。症状はライトが点かないほか、エアバッグ警告灯点灯としても出ています。ランプ内側の曇りが一緒に出ていれば、ライトユニット側の状態も合わせて見ます。
距離が伸びた車では、AT(オートマチック)、クラッチ、燃料ポンプが各2件ずつ。エンスト・走行中に止まるが6件、ギアが入らない・動かないが3件と、駆動系と燃料系の申告が続きます。雨漏り・室内が濡れるが4件あり、ウェザーストリップ・シール(ドアまわりのゴム)の事例も出ています。
症状から見る
- ライト・ランプが点かない13件・監修待ち
- 部品の破損・脱落7件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる6件・監修待ち
- 走行不能・走れない6件・監修待ち
- 雨漏り・室内が濡れる4件・監修待ち
- ギアが入らない・動かない3件・監修待ち
- 加速しない・パワーが出ない2件・監修待ち
- ランプ内側の曇り2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- HIDバラスト8件 19%主な症状: ライト・ランプが点かない走行100,000km前後で多い
- 配線・コネクタ(断線・接触不良)4件 9%主な症状: ライト・ランプが点かない走行90,000km前後で多い
- ヘッドライトバルブ3件 7%主な症状: ライト・ランプが点かない走行90,000km前後で多い
- AT(オートマチック)2件 5%主な症状: 意図しない急加速(申告)
- クラッチ2件 5%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- 燃料ポンプ2件 5%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- ハブベアリング2件 5%主な症状: ブレーキの引きずり・タイヤがロック
- ラジエーター2件 5%主な症状: 走行不能・走れない
FB20 2.0L ガソリン(4代目 SJ5)
- 型式
SJ5SJ5SJ5- 年式
- 2012〜2018
- エンジン
- FB20 2.0L ガソリン
ブレーキの踏み心地から相談が来る世代。足まわりの異音もぼちぼち
まず疑うのはブレーキブースター(ブレーキペダルの踏力を助ける装置)です。事例32件のうち10件と、この世代では頭ひとつ抜けています。症状はブレーキの効きが悪い・ペダルが深い、ブレーキペダルが固い・重いという二つの出方で、走行距離は5万km前後、年式は2014〜2017年式です。
次がロアアーム・ブッシュ(足まわりのアームを支えるゴム部品)の3件で、車の下・床下からの異音や部品の破損・脱落として入ってきます。距離は6万km前後、2014〜2016年式。段差や曲がるときの音が気になる、という相談ならここを見ます。
そのほかはエアコンコンプレッサー、ショックアブソーバー、VVTアクチュエータ・OCV(バルブタイミングを変える装置と、その油圧を制御する弁)、配線・コネクタが各2件です。VVTまわりはオイル漏れ・オイルにじみとして出ています。
症状から見る
- ブレーキペダルが固い・重い8件・監修待ち
- エンジンがかからない(セルが回らない)6件・監修待ち
- ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い5件・監修待ち
- 走行不能・走れない5件・監修待ち
- 部品の破損・脱落5件・監修待ち
- 走行中のハンドル・車体の振動3件・監修待ち
- オイル漏れ・オイルにじみ2件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ブレーキブースター14件 33%主な症状: ブレーキペダルが固い・重い走行50,000km前後で多い
- ロアアーム・ブッシュ4件 10%主な症状: 曲がるときカリカリ・カタカタ音走行60,000km前後で多い
- 配線・コネクタ(断線・接触不良)3件 7%主な症状: ライト・ランプが点かない走行40,000km前後で多い
- エアコンコンプレッサー2件 5%主な症状: エアコンをつけると異音
- CVT(無段変速機)2件 5%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- ショックアブソーバー2件 5%主な症状: 部品の破損・脱落
- VVTアクチュエータ・OCV2件 5%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ
- コンデンサー1件 2%主な症状: エアコンが冷えない
FA20(ターボ)
- 型式
- エンジン
- FA20
件数は少なめだが、ブレーキブースターの出方はFB20と同じ向き
事例は19件と多くありませんが、まず疑うのはブレーキブースターです。8件と全体の4割を占め、症状はブレーキの効きが悪い・ペダルが深い、ブレーキペダルが固い・重い。走行距離は3万km前後と早めで、年式は2013〜2016年式に寄っています。ブレーキマスターシリンダー(踏力を油圧に変える部品)の事例も1件あり、踏み心地の相談はこのあたりから順に見ます。
次に多いのがロアアーム・ブッシュとVVTアクチュエータ・OCVで各2件です。ロアアーム側は曲がるときカリカリ・カタカタ音、段差でゴトゴト・コトコト音として、VVT側はオイル漏れ・オイルにじみとして出ています。
そのほかはエアコンコンプレッサー、エバポレーター(エアコンの冷却器)、CVT(無段変速機)が各1件と少数です。件数が少ないぶん、傾向として言えるのはブレーキまわりまでと見ておくのが無理がありません。
症状から見る
- ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い5件・監修待ち
- ブレーキペダルが固い・重い4件・監修待ち
- オイル漏れ・オイルにじみ3件・監修待ち
- 警告灯が複数・全部つく3件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる2件・監修待ち
- ハンドルが重い2件・監修待ち
- 走行中のハンドル・車体の振動2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- ブレーキブースター9件 41%主な症状: ブレーキペダルが固い・重い走行30,000km前後で多い
- エアコンコンプレッサー2件 9%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- エバポレーター2件 9%主な症状: エアコンが冷えない
- ロアアーム・ブッシュ2件 9%主な症状: 曲がるときカリカリ・カタカタ音
- VVTアクチュエータ・OCV2件 9%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ
- ブレーキマスターシリンダー1件 5%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- CVT(無段変速機)1件 5%主な症状: 変速ショック・ギクシャク
- エアフロセンサー1件 5%主な症状: 警告灯が複数・全部つく
EJ25 2.5L ガソリン(SG9・SH9ほか)
- 型式
SG9SH9SF9SG9SH9SF9SG9SH9SF9- 年式
- 1999〜2011年
- エンジン
- EJ25 2.5L ガソリン
事例はまだ少ない。出ているのはライトまわりが中心
事例は8件と少ない世代です。そのなかで多いのはHIDバラストの3件で、症状はライト・ランプが点かない。走行距離は10万km前後、年式は2005年式です。ライト・ランプが点かないという症状自体もこの世代で3件と最多で、EJ20と同じ向きに出ています。
残りはブレーキブースター、クラッチ、ハブベアリング(車輪を支える軸受け)、ウォーターバイパスパイプ(樹脂製、冷却水を通す配管)、ウインドウレギュレーター(窓を上下させる機構)が各1件ずつです。冷却水漏れ・減るや、車の下・床下からの異音といった申告が混ざっています。
件数が少ないので、この世代はこれが持病、と言い切れる段階ではありません。年数の出た車として、灯り・冷却水・足まわりを一通り見ていく形になります。
症状から見る
- ライト・ランプが点かない3件・監修待ち
多い故障(部品別)
- HIDバラスト3件 38%主な症状: ライト・ランプが点かない走行100,000km前後で多い
- ブレーキブースター1件 13%主な症状: ブレーキの効きが悪い・ペダルが深い
- クラッチ1件 13%主な症状: ギアが入らない・動かない
- ハブベアリング1件 13%主な症状: 車の下・床下からの異音
- ウォーターバイパスパイプ(樹脂製)1件 13%主な症状: 冷却水漏れ・減る
- ウインドウレギュレーター1件 13%主な症状: パワーウインドウが動かない
CB18 1.8L ガソリン(5代目 SK5)
- 型式
SK5SK5SK5- 年式
- 2020〜2024
- エンジン
- CB18 1.8L ガソリン
事例はまだ少ない。今のところエンストの申告が目立つ
事例は5件で、まだ傾向を語れる数ではありません。そのなかではEGRバルブ(排気の一部を吸気に戻す弁)が2件で、症状はエンスト・走行中に止まる、エンジンがかからない(セルが回らない)という出方をしています。
残りはエンジン制御コンピューター、サクションコントロールバルブ(SCV、燃料の量を調整する弁)、サーモスタットが各1件です。SCVは加速しない・パワーが出ない、エンストとして、サーモスタットは水温警告灯・オーバーヒートとして出ています。
症状で見るとエンスト・走行中に止まるが3件と一番多く、次いでオイル漏れ・加速不良・ノッキング音が各1件。今後件数が増えてから、改めて見方を固めたい世代です。
症状から見る
- エンスト・走行中に止まる4件・監修待ち
- 警告灯点灯(種類不明)3件・監修待ち
- エンジンがかからない(セルが回らない)2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- EGRバルブ2件 25%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- サーモコントロールバルブ2件 25%主な症状: 警告灯点灯(種類不明)
- エンジン制御コンピューター1件 13%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ
- インジェクター1件 13%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- サクションコントロールバルブ(SCV)1件 13%主な症状: 加速しない・パワーが出ない
- サーモスタット1件 13%主な症状: 水温警告灯・オーバーヒート
監修:株式会社たま(関東運輸局長認証工場) 監修日:2026-09-12
