CX-5の故障・持病
CX-5は2012年に登場したSUVで、初代(KE系)と2代目(KF系)があります。集めた事例93件はディーゼルのSH 2.2L(SH-VPTS)に大きく偏っていて、ガソリンのPY 2.5L・PE系は台数のわりに事例が少なく、出方もディーゼルとは別方向です。ディーゼル側は冷却水まわりと発電まわりが上位に並び、症状でいうと「冷却水漏れ・減る」が最も多く、次いで「加速しない・パワーが出ない」「バッテリー警告灯点灯」と続きます。ここでは整備工場の目線で、エンジンごとに何から疑うかを整理します。
型式・エンジンを選ぶと、その車の持病・症例・多い故障に切り替わります。
イラストはイメージです症状から見る
この車種の監修済み症例はまだありません。
エンジンを問わず出るもの
車種全体で見ると、症状の1位は冷却水漏れ・減るで41件、次が加速しない・パワーが出ない28件、バッテリー警告灯点灯27件です。部品ではオルタネーター(発電機)44件、ウォーターバイパスパイプ(冷却水を通す配管、樹脂製)23件、ヘッドガスケット16件の順で、冷却と発電の二方向に寄っています。
数は少ないものの、ECU(コンピューター)が5件・3万km前後・2015〜2020年式で、エンストや警告灯が複数点くという形で出ています。インタークーラー(過給した空気を冷やす装置)が4件・2万km前後、エアフロセンサー(吸入空気量を測るセンサー)が4件・7万km前後と、比較的低走行の事例もあります。距離が浅いから安心とは言い切れない並びです。
中古で買うとき・長く乗るときに見るところ
ディーゼルを見るなら、まずリザーブタンクの冷却水の量と、エンジンルームの水染みです。事例では冷却水漏れ・減るが最多で、ウォーターバイパスパイプとヘッドガスケットの二つが同じ症状で並んでいます。水温警告灯が一度でも点いた履歴があるかは、聞いておいて損がありません。
次に、バッテリー警告灯です。オルタネーター(発電機)の事例は11万km前後・2012〜2014年式に集まっているので、この年式帯で距離が近い車は、充電の状態を見てもらってから決めると判断しやすくなります。加速しない・白煙が出るという話があれば、ターボチャージャーやインテークマニホールドの側も合わせて確認します。
ガソリン車は事例そのものが少なく、ここに挙げた傾向はそのまま当てはめられません。実車ごとに症状と距離を見ることになります。確定は点検で。
この車で多い故障(部品別)
集めた整備事例188件のうち、どの部品が原因・交換になったかの割合です。走っている台数あたりの故障率ではありません。
- オルタネーター(発電機)44件 23%主な症状: バッテリー警告灯点灯走行110,000km前後で多い
- ウォーターバイパスパイプ(樹脂製)23件 12%主な症状: 冷却水漏れ・減る走行110,000km前後で多い
- ヘッドガスケット16件 9%主な症状: 冷却水漏れ・減る走行140,000km前後で多い
- ターボチャージャー12件 6%主な症状: 加速しない・パワーが出ない走行60,000km前後で多い
- タイミングチェーン11件 6%主な症状: 加速しない・パワーが出ない走行100,000km前後で多い
- インテークマニホールド8件 4%主な症状: エンスト・走行中に止まる走行80,000km前後で多い
- バキュームポンプ7件 4%主な症状: 警告灯点灯(種類不明)走行90,000km前後で多い
- ECU(コンピューター)5件 3%主な症状: エンスト・走行中に止まる走行30,000km前後で多い
- インタークーラー4件 2%主な症状: 加速しない・パワーが出ない走行20,000km前後で多い
- エアフロセンサー4件 2%主な症状: 走行不能・走れない走行70,000km前後で多い
SH 2.2L ディーゼル(KE2・KF2系)
- 型式
KE2KF2KE2KF2KE2KF2- 年式
- 2012〜2023年
- エンジン
- SH 2.2L ディーゼル
事例の中心。冷却水まわりと発電まわりから疑うディーゼル
まず疑うのはオルタネーター(発電機)です。事例では44件で部品の中の1位、走行距離は11万km前後、年式は2012〜2014年式に寄っています。症状はバッテリー警告灯の点灯と、部品の破損・脱落という形で出ることが多く、警告灯が点いたまま走り続けると走行不能につながる事例もあります。
次に多いのがウォーターバイパスパイプ(冷却水を通す配管、樹脂製)で22件、12万km前後、2012〜2017年式と幅があります。症状は冷却水が漏れる・減る、水温警告灯やオーバーヒート。同じ症状の出方をするものにヘッドガスケット(シリンダーヘッドとブロックの合わせ面を密閉する部品)が16件・14万km前後で続くので、漏れの場所がどちらなのかを切り分けてから手を付けます。
距離が伸びた車というより、比較的早い段階で出ているのがターボチャージャー(排気で過給する装置)で12件・6万km前後、加速しない・白煙という症状です。タイミングチェーン(カムを駆動する金属チェーン)が10件・10万km前後、インテークマニホールド(吸気を各気筒へ分ける通路)が8件・8万km前後、バキュームポンプ(ブレーキの倍力に使う負圧を作るポンプ)が7件・9万km前後と続きます。加速不良やエンストが出ている車は、ターボ側と吸気側のどちらが先かを見ていきます。
症状から見る
- 冷却水漏れ・減る40件・監修待ち
- 加速しない・パワーが出ない27件・監修待ち
- バッテリー警告灯点灯27件・監修待ち
- 部品の破損・脱落23件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる19件・監修待ち
- 走行不能・走れない19件・監修待ち
- エンジン警告灯(チェックランプ)点灯17件・監修待ち
- 水温警告灯・オーバーヒート17件・監修待ち
多い故障(部品別)
- オルタネーター(発電機)44件 25%主な症状: バッテリー警告灯点灯走行110,000km前後で多い
- ウォーターバイパスパイプ(樹脂製)22件 13%主な症状: 冷却水漏れ・減る走行120,000km前後で多い
- ヘッドガスケット16件 9%主な症状: 冷却水漏れ・減る走行140,000km前後で多い
- ターボチャージャー12件 7%主な症状: 加速しない・パワーが出ない走行60,000km前後で多い
- タイミングチェーン10件 6%主な症状: 加速しない・パワーが出ない走行100,000km前後で多い
- インテークマニホールド8件 5%主な症状: エンスト・走行中に止まる走行80,000km前後で多い
- バキュームポンプ7件 4%主な症状: 警告灯点灯(種類不明)走行90,000km前後で多い
- ECU(コンピューター)4件 2%主な症状: エンスト・走行中に止まる走行20,000km前後で多い
PE-VPS(ガソリン)
- 型式
- エンジン
- PE-VPS
事例はまだ少ない。センサー系と快適装備の単発が並ぶ
このエンジンの事例は7件と少なく、傾向を言い切れる段階ではありません。その中で一番多いのがエアフロセンサー(吸入空気量を測るセンサー)で3件、7万km前後、2013〜2017年式。走行不能、加速しない・パワーが出ないという症状で入ってきています。
次にヒーターコア(暖房用の熱交換器)が2件で、暖房が効かないという訴えです。あとはABSユニットとウォーターバイパスパイプ(冷却水を通す配管、樹脂製)が各1件ずつで、まだ一つの流れとしては見えていません。
症状から見る
- 走行不能・走れない3件・監修待ち
- エンスト・走行中に止まる2件・監修待ち
- 暖房が効かない2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- エアフロセンサー3件 43%主な症状: 走行不能・走れない走行70,000km前後で多い
- ヒーターコア2件 29%主な症状: 暖房が効かない
- ABSユニット1件 14%主な症状: エンスト・走行中に止まる
- ウォーターバイパスパイプ(樹脂製)1件 14%主な症状: 冷却水漏れ・減る
PY 2.5L ガソリン(KE5・KF5系)
- 型式
KF5KE5KF5KE5KF5KE5- 年式
- 2014〜2024年
- エンジン
- PY 2.5L ガソリン
事例はまだ少なく、エンジン本体より装備側の単発が中心
事例は5件で、傾向を語れるほどの数はありません。その中ではシートベルトが2件で、引き出せない・戻らないという症状です。エンジン本体の話というより、装備側の単発が並んでいる形です。
残りはDC-DCコンバーターが1件(エンジンからウィーン・ヒュー音)、デファレンシャル(デフ、左右の車輪の回転差を吸収する装置)が1件(オイル漏れ・にじみ)、ECU(コンピューター)が1件です。ディーゼル側で目立つ冷却水まわりの事例は、この集計では出ていません。
症状から見る
- シートベルトが引き出せない・戻らない2件・監修待ち
多い故障(部品別)
- シートベルト2件 40%主な症状: シートベルトが引き出せない・戻らない
- DC-DCコンバーター1件 20%主な症状: エンジンからウィーン・ヒュー音
- デファレンシャル(デフ)1件 20%主な症状: オイル漏れ・オイルにじみ
- ECU(コンピューター)1件 20%主な症状: ワイパーが動かない・拭き残し
監修:株式会社たま(関東運輸局長認証工場) 監修日:2026-09-12
